大日本印刷、印刷事業は軒並み不調で売上減ながら利益率改善で増益 2019年3Q決算

大日本印刷株式会社は、2019年3月期第3四半期(2018年4月1日~2018年12月31日)の連結業績を発表した。

【連結経営成績(累計)】
売上高    :1兆0463億6600万円(前年同期比 0.4%減)
営業利益   :361億4900万円( 同 10.9%増)
経常利益   :414億9000万円( 同 14.4%増)
四半期純利益 :254億2700万円(前年 マイナス32億0800万円)

印刷事業のうち情報コミュニケーション部門について、出版関連事業は、AI(人工知能)での販売データ分析によって書店の需要予測を進めるなど課題解決に取り組んだが、出版メディア関連の売上が書籍・雑誌とも減少。一方、教育・出版流通関連は、書店とネット通販と電子書籍販売を連動させた「honto」事業で電子書籍が順調に推移し、図書館運営業務も受託館数が増加して前年を上回った。ただし、2017年12月に、子会社の株式会社主婦の友社の全保有株式を譲渡した影響で、事業全体では前年を下回った。
情報イノベーション事業は、企業等の業務を代行するBPO(BusinessProcessOutsourcing)事業が増加した他、販促関連ツールが堅調に推移。ただし、チラシやカタログ、ICカードは減少し、事業全体では前年を下回った。そのほかイメージングコミュニケーション事業も、昇華型熱転写記録材の販売が、北米や東南アジアで堅調だったものの、国内や欧州で減少し、事業全体では前年を下回った。
これらの結果、情報コミュニケーション部門全体の売上高は5644億円(前年同期比2.0%減)となった。一方で、営業利益は168億円(前年同期比10.4%増)と改善された。
生活・産業部門については、包装関連事業・生活空間関連事業は、前年を下回る結果で、産業資材関連事業のみ、太陽電池用部材は減少したが、リチウムイオン電池用部材が順調に推移したことで、前年を上回った。この結果、生活・産業部門全体の売上高は2983億円(前年同期比0.7%増)だったが、営業利益は61億円(前年同期比36.0%減)と減少した。
エレクトロニクス部門については、ディスプレイ関連製品事業で、光学フィルムが好調で前年を上回った。電子デバイス事業も、メモリの大容量化やIoT機器の普及などを背景に、半導体製品用フォトマスクが増加。その結果、エレクトロニクス部門全体の売上高は1463億円(前年同期比4.8%増)、営業利益は279億円(前年同期比18.9%増)となった。