博報堂「2017年度 生活者の社会意識調査」、社会問題への関心が年々低下

博報堂研究開発局は、「2017年度 社会意識・行動に関する調査」の結果を発表した。「社会意識・行動に関する調査」は、生活者の社会意識や社会行動などについて研究分析するもので、2010年よりスタートし、今回で6回目。
それによると、社会問題に対して「(とても+やや) 関心がある」と答えた生活者は回答者の約8割。2010年調査時には約9割が「関心がある」と回答しており、その比率は年々低下している。年代別では60代の関心度が高く、年齢が若くなるにつれて関心度が低下している。とくに関心が高い社会問題は「年金制度や老後の生活への不安」「高齢者介護・医療体制への不安」「インターネット犯罪」「社会マナーの低下」「国家財政の赤字拡大」「雇用の不安定化」などが上位となった。
「何か社会のために役立ちたいと思っていますか」と聞いた質問では、「(そう+やや)思っている」が69.5%。ただしこちらも年々じわじわと低下傾向にあり、初めて70%以下となった。具体的に、社会貢献活動を普段から行っている人は約2割。過去も含めて何らかの経験がある人は半数程度に留まっている。
社会・環境配慮型商品の購入について聞いた質問では、「社会課題や環境に配慮した商品であれば、よく知らないブランドでも買う」に「あてはまる」と答えた人が43.0%、「社会課題や環境配慮商品なら価格が多少高くても買う」では36.2%だった。逆に「社会や環境に不誠実な企業の商品は買わないようにしている」に「あてはまる」と答えた人は66.1%、「社会や環境に悪い影響を与える商品は買わないようにしている」は61.0%だった。社会・環境問題に積極的に取り組む企業に対しては、「好感が持てる」76.8%、「その企業の商品・サービスを買いたい・利用したい」43.2%、「その企業を信頼できる」40.4%だった。これらの結果からレポートでは「企業の社会・環境問題への取り組みは、企業イメージに好影響を与えるだけでなく、その企業の商品・サービスを積極的に利用するきっかけにもなる」と指摘されている。