電通、伝統芸能「能」をテクノロジーで拡張する「テク能プロジェクト」を始動
株式会社電通は、伝統芸能「能」の可能性をテクノロジーで拡張する「テク能プロジェクト」を25日付で立ち上げた。
本プロジェクトでは、現存する世界最古の舞台芸能の一つといわれる能を多様な先端テクノロジーと組み合わせ、伝統芸能としての新たな展開と、現代社会のさまざまなシーンでの活用を目指す。
能は、日本の誇る最高峰の舞台芸能の一つでありながら、わが国においてさえ客層、上演機会が限られています。また表現手法として見た場合、極めて高い国際的評価にもかかわらず、現代シーンにおける活用はほぼ見られないのが現状となっている。
他の伝統芸能がそうであるように、高尚で難解という能の固定観念を刷新するためには、能楽界自身の取り組みに加え、「共創」による新たな価値創造が有用となる。そのため「テク能プロジェクト」では、今後日本文化が世界からより注目されていく中で、さまざまな企業・団体・クリエーターを巻き込みながら、ビジネスシーンを含めた活用に取り組んでいく。
具体的な活用法としては、海外訪日客を含む舞台観覧はもちろん、企業のテレビCMや動画コンテンツ、華やかで重厚なプレゼンテーションなど、多くの分野が想定される。
プロジェクトの上演第第1弾は、国立新美術館で開催されるダリ展開会式での「ダリ能」となる。上演に際しては、演能団体「銕仙会」(てっせんかい)による演能、精密機械加工を手掛ける「株式会社大槇精機」(だいしんせいき)が高精度な金属削り出しという方法で新作の能面を制作。また、最新のメディアテクノロジーを駆使したプロジェクトで注目を集めるクリエーティブ集団「ライゾマティクス アーキテクチャー」の齋藤 精一氏による映像演出も加わり、デジタル時代の幽玄美を生み出す。
ダリ能以降もテク能プロジェクトでは、「伝統芸能×テクノロジー」をテーマに日本を代表する伝統芸能の担い手やクリエーターとの共創に取り組んでいく。
展覧会ホームページ(ダリ展)http://salvador-dali.jp/