電通宇宙ラボ、「宇宙ビッグデータ」を活用したビジネスを始動
株式会社電通の社内横断組織「電通宇宙ラボ」は、株式会社アクセルスペースとの協働により、超小型衛星のデータ解析を通じた新たなマーケティングソリューションの開発に乗り出すことを発表した。また同時に株式会社電通デジタルも「電通宇宙ラボ」に参画することになった。
※(Dentsu Space Lab:http://www.dentsu-space-lab.jp/)
本ビジネス始動の背景には、「宇宙ビッグデータ」に世界が注目し始めている情勢がある。超小型衛星からの画像データに加え、GPS位置情報や急速に普及しつつあるIoT技術、それらを処理するAIとの統合により、マーケティング活用も多方面で進み始めており、収穫量のモニタリング(農業)、人の流れに合わせた出店計画(流通)、グローバル規模での交通渋滞の把握(自動車)、世界で発生する山火事などの早期発見(林業)、北極海氷解時の最短航路計測(海上運輸)などが挙げられる。
すでに民間企業による事業化が進んでいる米国だけでなく、日本においても民間の超小型衛星事業の動きが盛んになりつつある。同社グループは他に先駆け、2012年に宇宙ビッグデータをマーケティング活用するためのプロジェクトチームを発足し、海外の事例などを研究してきた経緯がある。
そして今後、日本においても独自に衛星ネットワークが使えたり、衛星を所有できるようになったりすることから、この領域が大きなビジネスチャンスになっていくと判断した。
アクセルスペース社は2017年に超小型衛星の打ち上げを開始し、2022年までには50基の衛星による世界全土の毎日観測開始を予定している。GPS位置情報などを含む画像データが、年間数ペタバイト規模で取得されるシステムになる見通しで、新しい情報インフラ(宇宙ビッグデータ)へと成長していくことが期待されている。