電通と日経新聞、企業イメージ形成要因の解析サービスを共同開発

株式会社電通と株式会社日本経済新聞社は、日経が実施している「日経企業イメージ調査」※や日本経済新聞記事データと、電通が保有するマーケティングリソース、解析知見を統合した「企業イメージKPIモデル」を共同で開発した。これにより、経営にとって重要な無形資産である企業イメージの形成要因が特定できるようになった。

本サービスの提供は、個別企業向けにカスタマイズした「日経コーポレート・バリュー・レポート」の形で行い、加えて企業ブランド価値向上に向けたコンサルティングメニューも用意している。

■「日経コーポレート・バリュー・レポート」のチャートイメージ

 

多くの企業において企業ブランド価値を高めたいというニーズがあるものの、それを分析できるツールが存在していなかった。その課題に対し、両社で企業イメージ面からのアプローチを検討し、本サービスの開発に至った。

解析のベースデータには、1988年から長年にわたり多くの企業の定点観測を行ってきた「日経企業イメージ調査」を活用する。具体的には、企業ブランド価値が最も反映されやすい「好感度」「株式購入意向」「就職意向」を測定指標とし、これら3指標に対して、どのイメージ因子(「先進性」「存在感」「安定感」「優秀性」「技術開発力」の5つを設定)が作用しているか、という”イメージの構造”メカニズムを明らかにするもの。

さらに、電通のマーケティングリソースやデータ、解析知見により、広告と企業イメージの相関を解明したり、日経に掲載された記事内容のテキスト解析を通じ、社会への発信と企業イメージとの関係を明らかにすることで、あるべき企業コミュニケーション活動の方向性を探る。

一般生活者やビジネスパーソンが抱く企業イメージに影響を与える因子を特定することで、企業の広報活動や企業広告、またリクルーティング活動などの指針策定の助けのサービスとしていくという。

【「日経コーポレート・バリュー・レポート」の3つの構成内容】
Ⅰ.企業イメージのKPIパスモデル分析
・1988年から約30年にわたって継続している「日経企業イメージ調査」の定点観測データを活用する。
・共分散構造分析により、「広告接触」と5つの中間イメージ指標「先進性」「存在感」「安定感」「優秀性」「技術開発力」との関連を調べ、さらにKPIとしての「好感度」「株式購入意向」「就職意向)までのメカニズムを把握する。

Ⅱ.イメージ形成要因の特定
・電通が保有するマーケティングリソースやデータ、解析知見を①で構築した企業イメージKPIモデルを組み合わせて分析することで、イメージの形成要因を特定する。
・マーケティング投資が生活者やビジネスパーソンに及ぼしている影響度を算出する。

Ⅲ.日経記事のテキスト解析
・企業イメージの形成に大きな影響を与えている日経の記事データをマイニングする。
記事露出(世の中への発信構造)を分析し、企業イメージを形成している要因を特定する。

【企業ブランド価値向上コンサルティング】
・Ⅰ~Ⅲで得られた分析結果をもとに、企業コミュニケーションの目標を設定。今後の企業広報や広告コミュニケーションのあるべき戦略や具体的なプランについてのコンサルティングを行う。

 

※日経企業イメージ調査について
・特徴:1988年から定点観測を行っている唯一の企業イメージ調査
・調査地域:首都圏40km圏
・対象者属性:一般男女個人:18~69歳
       ビジネスパーソン:民間有力企業に勤務の男女
       ※民間有力企業とは、資本金3,000万円以上、従業員100名以上
・1企業当たりの回答者数:一般男女個人約200名、ビジネスパーソン約250名
・調査方法:測定対象企業(576社)を業種によって約30社ごとのグループに分け、1名の回答者はそのグループ約30社について回答
・調査手法:質問紙留置法 
・調査期間:毎年8~10月(年1回調査)