フジテレビとグリー、VR(仮想現実)領域で業務提携
株式会社フジテレビジョンとグリー株式会社は、5月10日、フジテレビならびにグリー双方の強みを生かして、VR(ヴァーチャルリアリティ:仮想現実)に関するコンテンツ制作・配信・プラットフォーム構築を含む、サービスおよび事業開発に向け業務提携に合意。「F×G VR WORKS(仮)」というVRコンテンツ創出プロジェクトを発足したことを発表した。
2社は日本におけるVR市場の拡大のためには、VRならではの良質なコンテンツを増やし、利用者の体験機会を創出していくことが重要と考え、フジテレビが持つ企画・キャスティング力と映像コンテンツ制作力、グリーが持つVRコンテンツ開発力とWeb・アプリ開発力を結集することで、良質なVRコンテンツを製作提供する体制を構築していくことを決定。
フジテレビとグリーは提携の第一弾として、良質なVRコンテンツの製作を希望するクライアント企業に対して、VRコンテンツ制作に関わる企画・キャスティング、撮影・編集、アプリ・機能開発、イベント運営、配信、プロモーションなど、全ての領域をワンストップで提供していくという。
VR(ヴァーチャルリアリティ)とは仮想現実のことで、コンピューターによって作り出された架空の空間をあたかも実際に存在する空間のように体感させる技術。ゲームや動画、テーマパークといったエンターテインメント分野のみならず、医療や科学技術など、幅広い分野での活用が期待されている。2016年は「VR元年」と言われており、Oculus VR社がヘッドマウントディスプレイ(HMD)「Oculus Rift」の出荷を3月から、HTC Corporation社も「HTC Vive」を4月から出荷開始している。またソニー・インタラクティブエンタテインメント社も10月に「PlayStation VR」を発売すると発表しており、市場全体が大きな盛り上がりを見せている。
以下、2社からのコメント。
■山口 真氏(フジテレビ コンテンツ事業局長)コメント
今、フジテレビは先端テクノロジーとエンターテインメントを融合させるべく取り組みを強化しています。その中でVR市場は今後最も豊かな成長が期待できる分野のひとつであり、今般のグリーとの戦略的なアライアンスにより、互いのノウハウを活用して、これまでにない新たなユーザー体験を提供していきたいと考えています。特に、スポーツや報道、音楽ライブといったジャンルでのコンテンツ制作とVRの親和性は高く、テレビ局のノウハウを最大限活用して、これらのジャンルを中心にユーザーに支持されるサービスを開発していきます。
■青柳 直樹氏(グリー 取締役 執行役員常務)コメント
グリーではVRを次世代プラットフォームになりうるものと位置づけて、ゲーム開発を中心に積極的に取り組んできました。今後VR市場が拡大していくためには、より多くの人にVRならではの良質な体験をしていただくことが最も重要だと考えています。VRはゲームだけに限らずあらゆる領域で利用が可能であり、今回、日本を代表する映像コンテンツ技術、サービスの実績とノウハウを持つフジテレビとの提携により、良質なVRコンテンツを全方位的に制作できる体制を作り、市場全体の拡大に貢献していくことを目指します。