ADK「2020年メディア環境予測レポート」を発表

株式会社アサツー ディ・ケイでは、著しく変化するメディア環境の現状を捉えなおし、メディアと生活者の変化を予測する「メディア環境予測プロジェクト」を発足。この度、「2020年メディア環境予測レポート」をまとめ、発表した。

東京でオリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向け、各種インフラの整備や、新しい情報通信技術の投入が進んでおり、メディア環境も2020年にかけてさらに変貌していくと予測している。

こうした中、同社では、コミュニケーションチャネルプランニング本部、デジタルビジネス本部、統合メディア営業推進本部からエキスパートを集めた「2020年メディア環境予測プロジェクト」を結成。「2020年」をターゲットに、変化するメディア環境と、そこでの生活者のメディア活用ライフスタイルを予測し、レポートにまとめた。

約200ページにおよぶ本レポートでは、今後のコミュニケーション戦略の策定に資するべく、予想される社会経済動向、技術動向、主要メディア企業の動向を踏まえた上で、リアリティのある未来像を予測している。また、「2020年の私たちはメガスポーツイベントをメディアでどう楽しんでいるのだろう?」というような具体例を挙げて、近未来のメディア環境を考察していることも、本レポートの特徴のひとつ。以下、要旨。

【レポートトピックス】
2020年までに新たな形で完成するメディア・エコシステム(生態系)とは?

■コンテンツがメディア(デバイス)間の垣根を越えて自由に行き来する時代に
スマートフォンの一層の浸透、第5世代高速通信の商用サービス開始、家庭での4K/スマートテレビの普及などにより、ネットの利用環境がこれまで以上に向上。多くのメディア企業が自らのコンテンツをデジタル化し、ネットを通じて提供するようになるため、既に起き始めている「メディアとコンテンツの分離」、つまりテレビ・新聞・雑誌・PCなどのコンテンツが元々のメディアから離れて自由に行き来し、さまざまなデバイスで見られるということが一般化する。

■いつでも、どこでもメディアコンテンツを楽しむライフスタイルが定着
メディアコンテンツがさまざまなメディア(デバイス)からアクセスできるようになるため、生活者はますます自分の好きな時間・場所・手段でそれらを楽しむようになる。その際、利用の中核となるのはやはりスマートフォン。特に若い人を中心にして、あらゆるコンテンツをスマートフォンで楽しむスタイルが定着する。一方で人口の多い高齢者層は従来のスタイルでマスメディアを楽しむが、4K/スマートテレビに買い換える人が増加し、テレビを通じたネット利用(動画視聴)が定着する。

■メディアのエコシステム(生態系)が新しい形として完成・定着
デジタル化したコンテンツがメディアを越えて流通し、生活者が自由自在にそれを視聴・閲覧する。こうした新しいメディアのエコシステム(生態系)は、インターネット登場以来変貌を遂げてきたメディアのあり方の変化の到達点と言え、2020年以降、企業はこうした環境を前提にコミュニケーション戦略等を考えていく必要がある。