電通、マスメディアとウェブ広告の相乗効果を最大化するプラットフォーム「STADIA(β版)」開発

株式会社電通は、マスメディアの接触を推定するアクセスログとウェブオーディエンスデータ(※)を統合することで、マスメディアとウェブ広告の相乗効果を最大化する統合マーケティングプラットフォーム「STADIA(β版)」(スタジア・ベータ版)を開発したことを発表した。

※Cookie ID/広告ID/Twitterのユーザ ID

同社は2013年10月から、オフラインとオンラインの統合的なマーケティングの実践・管理を目指し、マスメディアの接触を推定するアクセスログを活用した統合マーケティングの研究を行ってきた。今回、クラウドを活用した高速データ解析プラットフォーム「Dentsu.io」(電通アイ・オー)の機能拡張を行い、テレビの視聴を含むマスメディアの接触を推定するアクセスログデータを集約、オーディエンスデータとの統合解析を可能とする「STADIA(β版)」をDentsu.io内に構築、これにより、オフラインの接触状況に基づくウェブ広告配信が可能になった。

近年、ユーザからの利用許諾と匿名処理を前提に、アクセスログによるマスメディア接触者の特定もしくは推定が可能になってきており、インターネットに結線されたデバイスから得られるマスメディアへの接触データ、マスメディアと同時もしくは関連して利用されることが多いホームページ、スマートフォンアプリ、Twitterなどを経由したさまざまなマスメディア関連データが収集できるようになってきている。

今回、開発した「STADIA(β版)」を活用することにより、従来のメディアの露出情報やパネルデータだけをもとに世の中のモーメントに合わせてウェブ広告を配信するだけでなく、マスメディアに対するひとりひとりの実接触状況に基づいて規定されたセグメントに対しウェブ広告を配信することで統合マーケティングの新たなKPIの設定・改善が可能となる。

現在、「STADIA(β版)」の本格運用による統合マーケティングの実践に向けた取り組みのひとつとして、テレビの視聴行動や番組の嗜好性に基づいてウェブ媒体向けに広告を配信する「視聴ログターゲティング」の実証実験を開始した。インターネットに結線されたテレビ受像機から取得できるユーザの利用許諾を頂いた実視聴履歴や株式会社IPGが保有する電子番組表スマートフォンアプリ「Gガイドモバイル」の音声認識から取得できる視聴情報をもとに特定されたCM接触者に対してDSP(デマンドサイドプラットフォーム)で広告を配信したり、テレビに関するTwitterの書き込み情報をもとに推定されたCM接触者に対してTwitterAdsAPIでプロモツイート(Twitter上でPromotedというラベルが明示的に表示される広告の総称)を配信した上で、キャンペーン後、あるいは最中のPDCAによって統合マーケティングのKPI改善を図る取り組み。

なお、視聴ログデータで特定もしくは推定されたオーディンエスの質とウェブ媒体の広告枠の質の相乗的な広告効果を高めるために、DSPでの主な広告配信先は、付加価値の高い限定されたプレミアム広告枠を中心に形成される電通独自のPMP(プライベート・マーケット・プレイス)となる。

<「STADIA(β版)」の主な機能と概念図>
◇主な機能
・マスメディアへの接触状況や視聴者の嗜好性を解析する機能
・マスメディアのアクセスログデータをCookieや広告IDに変換・拡張する機能
・さまざまなデータ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)と接続する機能

◇概念図