電通、TV番組・CMに連動したコンテンツを即時に外部事業者に提供するソリューションを開発
株式会社電通は、テレビ番組やCMの放送内容をリアルタイムで認識し、抽出したオンエアデータを即時に外部事業者に提供するソリューション「TV Live Meta Module(β版)」(テレビ・ライブ・メタ・モジュール・ベータ版)を開発した。
番組やCMとタイムリーに連動したコンテンツを、視聴者のスマートフォンやタブレットなど、いわゆる”セカンドスクリーン”にすばやく届けることが可能になる。ソリューションの提供先としては、ポータル/SNSのプラットフォーム事業者や広告配信事業者など、テレビ番組やCMに連動、関連したサービスを提供している事業者を想定している。
開発の背景には、番組を視聴しながらこれらのセカンドスクリーンを併用して楽しむ視聴者の増加があり、具体的には、番組やCMに関連した情報の検索やSNSなどによる発言の増加、番組・CM起点のEコマースの広がりが挙げられる。
同社は、2013年9月から、放送と連動したセカンドスクリーンの活用について研究する「セカンドスクリーンプロジェクト」を推進しており、「TV Live Meta Module(β版)」はその成果の一つ。テレビ番組の内容を字幕情報から取得して特定キーワードを抽出したり、地上波テレビで流れるCM画像から広告主や商材を特定したりする運用を高速で自動化、それらの情報を外部のサービスとつなげる仕組みを構築した。番組で取り上げられた情報の取得・運用が自動化されていることから、外部事業者は既存のサービスに付加価値を加えるコンテンツを提供したり、新たなマネタイズにつながるサービスを開発したりすることが可能になる。
なお、「TV Live Meta Module(β版)」の外部事業者への提供は、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)で行い、以下の3つのモジュールを提供する。
1.「シンクロCMモジュール」
テレビCMと連動し、CMの放送と同時に視聴者のセカンドスクリーンに同一広告主のバナ
ー広告、動画、クーポン、Eコマースのサイトリンクなどを表示する仕組み。画像マッチング手法を採用しているため、音声認識による既存のサービスに比べ識別のスピードが速いという特徴がある。
2.「テレビライブワードモジュール」
テレビ番組内で取り上げられた場所、人物、モノなどのキーワードを自動認識してリアルタイム表示する仕組み。同時にキーワードに関連した情報を自動生成する仕組みを備えている。例えば、あるタレントの名前がキーワードとしてリアルタイム表示されると、同時にそのタレント関連情報が自動生成されるため、利用者はその関連情報に容易にアクセスすることができる。
3.「テレビライブワード連動広告モジュール」
特定のキーワードに反応する広告をあらかじめ制作しておき、テレビ番組内でそのキーワードが取り上げられると自動的に広告が出稿される仕組み。例えば、「花粉症」というキーワードが番組で取り上げられると、そのタイミングを逃さず視聴者のセカンドスクリーンにマスクや花粉症薬の広告を流すことができる。
※ライブワードモジュールは字幕放送のある番組のみが対象になる。