電通とNTTデータが協業 ソーシャルメディア・ビッグデータ解析で

株式会社電通と株式会社NTTデータは、主にソーシャルメディア・ビッグデータの解析を起点とした、マーケティング領域での新たなソリューションの開発・提供で協業することに合意した。

本協業では、電通が持つ事業戦略、商品戦略、マーケティング・コミュニケーションに関する独自のプランニングおよび顧客・生活者のインサイトに関する知見、NTTデータが保有する日本市場唯一のTwitter全量データの再販機能およびソーシャルメディア・ビッグデータの解析力、ならびにシステム構築力を掛け合わせることで、マーケティング戦略の立案からマーケティングシステムの高度化まで、顧客ビジネスの成長に寄与する高度なマーケティング・ソリューションをワンストップで提供する。
併せて、両社の協業を加速する推進母体として「Social Insight Lab」(ソーシャル・インサイト・ラボ)を立ち上げ、顧客企業の複数の部門にまたがる高度なマーケティング課題に対して、全体最適の視点から課題の解決にあたる。

ソーシャルメディアの急速な普及を背景に、NTTデータが保有するTwitterの全量データはマーケティング利用が可能なデータとして、より価値の高いものになってきている。
協業開始に先立ち、両社はすでにいくつかの実証実験を積み重ねており、従来は困難であったマーケティング領域とIT領域を統合する両社ならではのソリューションの開発に成功している。また、現在、位置情報データ、感情データ、購買データなどのビッグデータと、外部データを連携させることによる新たなソリューションの開発にも取り組んでいる。

これまでの実証実験では、例えば、電子書籍の販促においては、ユーザーのニーズに合致する商品の広告をリアルタイムに提供することで、最大で通常の1.6倍の購入に結び付けるという成果を残した。また、ECサイトにおける実証実験では、CTR(クリック率:インターネット広告が表示された回数のうち、クリックされた数の割合)を通常の約2倍に引き上げることに成功している。

ソーシャルメディアデータをCRMに連携させる手法では、感情データを活用することで、流通業界におけるオンラインとオフライン、ECとリアル店舗をまたいだ施策の開発が可能になり、ファッション、宝飾品、自動車、家電など嗜好性の強い業界での効果が期待できると考えている。
また、2014年12月には、Twitterデータから見える生活者の「今」を伝えるニュースサイト「イマツイ」を立ち上げ、データの解析から導かれた顧客インサイトをインフォグラフィックスでの表現などと合わせ詳説するコンテンツを開発し、適時配信することでブランディングに活用するなど、新たな取り組みもスタートしている。

電通とNTTデータは、本協業により、顧客企業においてマーケティングをつかさどるCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)/ブランドマネジメント部門と、ITをつかさどるIO(チーフ・インフォメーション・オフィサー)/情報システム部門の、相互にまたがる高度なマーケティング課題に対して、全体最適の視点からソリューションを提供していく。 
加えて、両社が抱える専門家であるデータサイエンティストやシステムエンジニア、マーケティングストラテジストやPRプランナー、コミュニケーションデザイナーなどが一体となり、必要に応じて外部の専門家や企業とも連携することで、顧客企業が抱える多様な課題の解決に貢献していく。