電通とカブク、3Dプリンターなど活用するデジタルファブリケーションで連携

株式会社電通は、株式会社カブクと業務提携することを発表した。
デジタル製造機器(3Dプリンターなど)を活用したものづくり「デジタルファブリケーション」による製品開発や事業化支援、および普及活動で連携をする。
電通はグループを挙げて3Dプリンター市場に取り組むため、グループ横断型のプロジェクトチーム「Dentsu 3D=D3D」を10月1日付で立ち上げる。

3次元データから製品をつくる3Dプリンターの普及は、ものづくりの手法に革新を起こし始めており、スマートフォンにおけるアプリのように、ものづくりにおいてもデータをアップロードするだけで製品化できる体制が整いつつあり、3Dプリンターの活用は、従来の製造業の枠や個人と企業の枠を超え、範囲・裾野とも急速に広がり始めている。

カブクは、「ものづくりの民主化へ。」というビジョンのもと、3D プリンターを活用した製造・販売環境を提供するマーケットプレイス「rinkak(※)」を運営し、誰もがつくり手・売り手となれる開かれたものづくりの実現を目指している。電通はこのビジョンに賛同し、カブクとともに「オープンイノベーション型のものづくり」を支援する新たなソリューションを開発し、顧客企業に提供していくとともに、日本のものづくりを世界に浸透させる支援活動を行っていく。
具体的には、両社は次の3つの領域における協業を進める。

1.地域ものづくりのサプライチェーン構築と新しいコンセプト提案

・rinkakプラットフォームをベースとした、全国自治体・工場連携の
 3Dプリンター製造ネットワーク「地域ものづくりクラウド」を構築。

・地域の中小ものづくり企業が持つ優れた仕上げ技術や伝統工芸手法と
 3Dプリントを融合、国内外のクリエーターとの共創による製品づくりを支援。

・世界市場での製品の認知獲得と販売を支援。

2.企業との連携

・企業が持つ技術やシードを活用した商品やサービス開発のための
 アイディエーションの推進、ビジネスモデルの提案と構築、
 カーブアウト(事業の切り出しと独立)を支援。

・β版の開発、ハードウエアのプロトタイピング、マスカスタマイゼーションを推進。

3.自治体や教育機関との連携

・3Dプリンターを活用した最先端学習と新しいものづくりの普及・啓発活動を推進。

・ワークショップやコンテストなどを行い、人材の掘り起こしとネットワーク化を推進。

これらのソリューションの提供における両社の役割としては、電通は顧客企業向けに、デジタルファブリケーションを活用した新たなビジネス開発のためのコンサルティング、製品・サービスの企画・提案、販売支援や普及活動などのプロデュースと広告コミュニケーション・サービスを提供する。一方、カブクはものづくりプラットフォームを提供するとともに、より高機能な3D プリンターの導入や豊富な3Dプリンターネットワークの提供、また新しいプリント素材やソフトウエアの開発など技術開発も行う。

※ 「rinkak(リンカク)」(https://www.rinkak.com)は、3Dプリンターなどのデジタル製造技術を用いた新しいものづくりのマーケットプレイス。ユーザーはrinkakに3Dデータをアップロードするだけで、高性能な製造設備でプロダクトを製造・販売できる。プロダクトは受注ごとにオンデマンドで製造するため、クリエーターは在庫を持つことなく、1つからプロダクトを販売することができる。また素材に関しても、一般的なプラスチックだけでなく、陶器や金属、ラバーまで多様な素材で作品を製造することが可能。

 

【カブクの会社概要】
・社 名 :株式会社カブク
・所在地 :東京都渋谷区
・代表者 :稲田 雅彦(代表取締役社長)
・設 立 :2013年1月
・ウェブサイト: http://www.kabuku.co.jp/
・事業概要:デジタル製造技術をコアテクノロジーとしたハードウエア、ソフトウエア、デザインを融合したプロダクト・サービス開発を行うとともに、デジタル製造技術に関わる先端技術研究や啓発活動を行う。
また、デジタル製造ソリューション事業では、3Dプリンターを活用した技術に限らず、あらゆるデジタル技術を用いた企画から商品開発、製造までをワンストップで行う。