電通、日経BP社らと「健康経営フォーラム」を発足

株式会社電通は、6月10日に株式会社日経BPと公益財団法人日本生産性本部と共同で、「健康経営フォーラム」を発足すると発表した。

事務局は日経BP社と電通が務め、代表には日経BP社社長の長田公平が就任する。設立時の会員は、エームサービス株式会社、新日本有限責任監査法人、株式会社タニタ、株式会社パソナ、株式会社フジクラ(五十音順)、また、株式会社日本政策投資銀行も協力企業として加わる。

本フォーラムは、3年後に100社の参画を目指して活動を推進していく。具体的な活動内容としては、オフィシャルホームページを通じた情報発信、シンポジウムによるトレンドや優良事例の紹介、実践的な健康経営のあり方を学べる会員企業向け研究会の開催などを予定。併せて、日経BP社が展開するメディアに、本フォーラムの活動と会員企業名などを掲載し、広く訴求していく。

また、東京大学政策ビジョン研究センター 健康経営研究ユニット(尾形 裕也 特任教授)や、日本生産性本部と東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野(川上 憲人 教授)が共同で運営している「健康いきいき職場づくりフォーラム」(http://www.ikiiki-wp.jp/)と連携し、健康経営に関する最新の知見の共有化も図る。

電通では、平成22年度より経済産業省「医療・介護等関連分野における規制改革・産業創出調査研究事業」の個別事業として「『健康経営R※』による健康・医療の産業化調査事業」を進め、「健康経営」というコンセプトのもと、経営施策の一環として企業の健康経営活動を活性化するスキームのあり方を検討してきた。本フォーラムは、これまでの知見も生かし、企業経営者はもちろん、広く社会に「健康経営」の理解醸成を図るとともに、その一層の推進を目的に活動していく。

「健康経営」とは、1980年代に米国の経営心理学者、ロバート・ローゼン氏が唱えた「健康な従業員こそが収益性の高い会社をつくる」という概念を基礎とする考え方。生活習慣病やメンタル不調を抱える社員の増加は、企業の生産性の低下を招くとともに、医療費を押し上げて健康保険の財政を圧迫している。こうした状況において、経営戦略のひとつとして「健康経営」が注目を集めているとしている。

現在、経済産業省を中心に健康投資促進に関する議論が進められているが、企業が経営視点で積極的に従業員の健康維持・増進活動に取り組むことは、医療費の抑制はもちろんのこと、高い生産性と業績の向上に寄与するものと考えられている。「健康経営」に取り組む、あるいはそこに向けたビジネスを展開することが一定の社会的評価や企業のブランドづくりにつながる、そのような場として、本フォーラムの活動を推進していく。