スマフォゲーム市場は前年比178%へ拡大、国内ゲーム市場全体の約5割に到達 サイバーエージェント子会社調査
株式会社サイバーエージェントの連結子会社である株式会社CyberZは、株式会社シード・プランニングと共同で、一般社団法人日本オンラインゲーム協会協力の元、スマートフォンゲーム市場動向調査を行った。
本調査では、スマートフォンゲームを「ネイティブアプリ」、「ブラウザゲーム」に分類し(※1)、ユーザーのスマートフォンゲームへの年間支出額を推計、市場規模予測を算出(※2)している。調査結果は下記の通り。(対象期間:2013年1月~2013年12月)
■ 2013年のスマートフォンゲーム市場規模推計
2013年のスマートフォンゲーム市場規模は、5,468億円。前年比178.0%へ拡大。
国内家庭用ゲームソフト市場規模のおよそ2.2倍、国内ゲーム市場全体の約5割に到達。
スマートフォンの急速な普及に伴い、スマートフォンゲーム市場も拡大した。
特に、AppStoreやGooglePlayといったアプリマーケットにおいて、ダウンロードは無料で追加課金(アドオン課金)型のスマートフォンゲームの普及が加速。ネイティブアプリは、クイズやパズルといったカジュアルゲームから本格的なロールプレイングゲームまで、幅広いジャンルのタイトルが増加し、コアユーザーに加えて女性や中高年の新しいユーザーなど幅広い支持を受け、ユーザー数も増加した。一方、ブラウザゲームは、カードバトルゲームを中心に、コアユーザーがフィーチャーフォンからスマートフォンへ移行し、引き続き根強い支持を得ている。このような市場背景により、2013年のスマートフォンゲーム市場は5,468億円、前年比178.0%となった。これは、同年の国内ゲーム市場規模全体の約5割を占め、国内家庭用ゲームソフト市場規模2,537億円(※3)の約2.2倍を上回る水準となる。
■ スマートフォンネイティブアプリ市場動向
2013年のスマートフォンネイティブアプリ市場規模は、3,178億円(前年比237.2%)へ大幅に拡大。スマートフォンネイティブアプリ市場には、有力タイトルを豊富に持つコンシューマーゲーム会社をはじめ、ゲーム運用ノウハウを豊富に有するオンラインゲーム会社やSAP(ソーシャルアプリケーションプロバイダー)がそれぞれの強みを持って参入し、様々なタイトルの提供が進んでいる。2012年に提供が開始された「パズル型RPG」が人気を博し、2013年には国民的なヒットとなった。
手軽に遊べるパズルやクイズなどを盛り込んだスマートフォンゲームや、三国志・戦国時代をモチーフとするタイトル、コンシューマーゲームの有力タイトルがスマートフォン向けに最適化されるなど、スマートフォンネイティブアプリは多くのユーザーを惹きつけた。さらに、欧州をはじめとする海外デベロッパーによる、世界的な有力タイトルも数多く提供された。
このような背景を受け、スマートフォンネイティブアプリ市場は昨年の1,340億円を大きく上回る、3,178億円(前年比237.2%)となった。2013年には、従来のソーシャルゲームで多くみられた、ユーザーによる希少性の高いデジタルアイテム入手を動機付けとするアイテム課金モデルの他、ゲーム内でプレイヤーの機能を高める、あるいはゲームを引き続きプレイすることを動機付けとする課金モデルも広く普及し、ユーザーが継続して遊ぶための仕組みが展開され、中長期に渡ってユーザーの利用が定着し、多くのユーザーが一定額の支出をしたことによってスマートフォンネイティブアプリ市場は急拡大を遂げた。
■ スマートフォンブラウザゲーム市場動向
2013年のスマートフォンブラウザゲーム市場規模は、2,290億円(前年比132.2%)へ拡大。2009年頃より急速な普及が進み、ソーシャルゲームとして急速な市場拡大が進んだフィーチャーフォン向けブラウザゲームにおけるユーザーの多くが、2013年にはスマートフォンへ移行した。スマートフォンブラウザゲームは、月額平均課金額が高いユーザーがネイティブアプリユーザーよりも多い傾向にあり(※4)、お気に入りのタイトルを継続的に遊ぶなど根強い支持を得ている。
一方で、スマートフォンユーザーのゲーム入手経路は、AppStoreやGooglePlayなどのアプリマーケット経由が主流となっている。ゲームの表現力や操作性が高く、通信環境の制約を受けにくいと言われるネイティブアプリがユーザーに幅広く受け入れられており、このことから、短期的にはスマートフォンブラウザ向けにゲームタイトルを提供してきた多くのゲーム会社が、ネイティブアプリの開発・提供比重を高める傾向が見られる。
長期的には、HTML5(※5)によるユーザビリティの高いゲームタイトルの登場により、アプリゲームに勝るユーザーの支持を得る可能性や、インターネットにつながる通信環境のもとで、場所やデバイスを問わずゲームを遊ぶことが出来るクラウドゲームが普及し、ブラウザならではの特性を活かした新しいゲーム環境を提供する可能性も期待される。
■ 2014年のスマートフォンゲーム市場規模推計
2014年のスマートフォンゲーム市場規模は6,584億円、前年比120.4%と予測。
スマートフォンの普及に合わせてスマートフォンゲームユーザーは引き続き拡大傾向。
スマートフォンゲーム市場は、スマートフォン端末の普及に合わせて、引き続き高い水準で成長することが予測される。2014年初旬以降、ゲーム会社各社によるテレビCMによる積極的なプロモーション活動も行われており、引き続き幅広いユーザーによる利用が見込まれる。
2014年は、新たに複数のユーザーがリアルタイムで一緒に遊ぶことが出来るゲームなどが、普及する兆しがみられ、引き続きスマートフォンネイティブアプリ市場が高水準で成長すると予想される。一方、スマートフォンブラウザゲーム市場では、ユーザーがフィーチャーフォンからスマートフォンへ移行する際に、一部流出する可能性があるものの、コアユーザーの需要を取り込むことで堅調に推移することが予測される。
■ スマートフォンゲームの今後
2016年、スマートフォンゲーム市場規模は8,000億円に到達する見込み。
2015年以降もスマートフォン端末の普及を背景に、スマートフォンゲーム市場は高い成長率を維持することが予想される。現在、国内のゲーム会社は、国内市場のみならず、グローバル市場への展開も進めており、スマートフォンゲームは、日本のコンテンツ産業において高い国際競争力を持つ産業として発展しつつある。
※1 本調査におけるスマートフォンゲームの定義および、商品区分の定義
・スマートフォンゲーム:ユーザーがスマートフォン端末上でプレイするゲーム。タブレット端末上でプレイするゲームも含む。
・スマートフォンネイティブアプリ:AppStoreやGooglePlayなどのアプリマーケットを経由して入手することが出来る、ゲームアプリケーションソフトとして提供されるゲームを示。なお、ウェブアプリを含む。
・スマートフォンブラウザゲーム:ゲームポータルのマイページから遊ぶゲームのことで、スマートフォン端末のWebブラウザ上で提供され、遊ぶことが出来るゲーム。なお、一般的に「側ネイティブ」と呼ばれる、アプリ自体はネイティブアプリでコンテンツを
Web上から取得する形式のゲームに関しても、課金対象がブラウザゲームプラットフォームに依存する場合は「ブラウザゲーム」の売上に加算している。
※2 本調査における市場規模の定義
スマートフォンゲームを遊ぶためにユーザーがゲーム提供会社に対して支出する金額の合計。決済手数料や、アプリマーケット、ゲームプラットフォームに支払われる手数料も含む。また、スマートフォンブラウザゲーム市場規模の算出は、主に大手ゲームプラットフォーム事業者が開示している売上金額から、グロス売上金額を推計、各社が提供する仮想通貨の流通額構成比を推計し、グロス売上金額に乗じて算出した額を、スマートフォンゲーム売上として推計した。
*本調査は、スマートフォンゲーム業界関連事業者へのヒアリング調査ならびに公開情報、調査主体およびシード・プランニングが保有するデータ等を参考に実施している。
※3 ゲーム総合情報メディア「ファミ通」の2014年1月発表資料より引用している。
※4 2013年12月、当社「スマートフォンゲームユーザー動向調査」における、
月額平均課金額の傾向値を引用している。
※5 ウェブページの記述等に用いる、マークアップ言語であるHTMLの第5版のこと。
なお、本記事は、株式会社CyberZによる発表を元に作成されています。
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◆リリース
http://cyber-z.co.jp/news/pressreleases/2014/0325_1497.html