電通、新年仕事始式で石井社長が年頭所信 変革を成し遂げ、フロンティアを切り拓く
株式会社電通は、平成25年新年仕事始式を1月4日午前9時50分から東京本社などで開催した。東京本社の仕事始式は汐留本社ビルの電通ホールで行われ、石井社長が年頭の所信を述べた。要旨は以下のとおり。
昨年開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックは、国と地域を超えて、世界中の人々に大きな活力をもたらした。今年9月には2020年大会の開催都市が決定することになるが、2020年にはぜひ、東京から、日本と世界に感動と希望を届けるべく、電通グループも、できる限りの取り組みを重ねていきたい。
2012年の出来事の中では、京都大学の山中伸弥教授によるノーベル賞の受賞は、大変素晴らしいニュースであり、どれほどの成果を挙げようとも、常に初心に立ち返ることを忘れない姿勢に、大変感銘を受けた。山中教授は、「ビジョンとワークハード」という言葉を研究活動の指針とされているが、「将来を見据えた目標をしっかりと持ち、不断の努力を怠らず、目標達成に向けて懸命に力を尽くす」ことは、企業にとっても大切な指針である。
電通グループは、29の国と地域でビジネスを展開する企業集団であり、グループ各社が提供するサービスは極めて広範に及ぶが、どれほどグループの裾野が広がろうとも、「顧客の最良のパートナーとして、顧客と共に成長する存在であり続ける」という目標が揺らぐことはない。顧客とわれわれを取り巻く環境変化がそのスピードと激しさを増す中、われわれは、電通グループ自体の構造改革なしには、顧客と共に成長することなどできない、という覚悟を強く持つ必要がある。
近年、われわれの顧客の多くは、グローバルを舞台とした成長機会の獲得に極めて大きな力を注いでいる。当社グループのグローバル基盤強化は、こうした顧客の取り組みを支援する上でも必然であり、昨年から進めているイージス・グループの買収手続きについても、出来る限り早く完了させたい。
われわれが取り組むべき本質的な構造改革とは、一朝一夕に成し遂げられるものではない。しかし、もとより電通は、その112年の歴史の中で変革と挑戦を重ね続けてきた企業であり、変革と挑戦をいとわず、懸命な努力を惜しまない気質がある。それこそが、電通グループのアイデンティティーそのものである。
変革と挑戦をいとわないというアイデンティティーを失うことなく、2万2千人を超えた電通グループの一人一人が力を尽くし、顧客の期待に応え続けることができれば、私たちは必ず、「顧客による挑戦とその成長の舞台には、必ず電通グループがいる」と言っていただける存在になれるはずである。それは、われわれにとって、新たなフロンティアを切り拓く、電通グループ自身のイノベーション実現に向けた挑戦でもある。グループが一丸となって力を合わせ、ぜひとも、この挑戦を共に成功させたい。