インプレスHD、1Q決算 経常利益22%増 出版メディア中心に堅調推移

株式会社インプレスホールディングスは、平成25年3月期第1四半期決算を発表した。

<平成25年3月期第1四半期の連結業績>
(平成24年4月1日~平成24年6月30日)
売上高:25億7,200万円(前年同期比4.4%減)
営業利益:5,800万円(同 56.6%増)
経常利益:5,000万円(同 21.9%増)
四半期純利益:1億2,400万円(同 91.1%増)

主力事業である出版メディアを中心に堅調に推移したが、前第2四半期連結会計期間にソフトウエアのオンライン販売事業を譲渡した影響(前期実績:1億7,300万円)を補えず、減収となった。

これらの結果、売上高は減収となった。経常利益では、事業譲渡に伴う利益影響度は限定的であり、原価抑制や固定費削減なども寄与し、前年同期に比べて増収となった。また、特別損益については、投資有価証券の一部を売却したほか、新株予約権の権利行使期間満了による戻入益を計上したことにより、特別利益を1億1,100万円計上した。

<IT>
■メディア事業
デジタルメディアについては、主力のデジタル総合ニュースサービス「Impress Watch」等の広告収入は軟調に推移し、電子書籍等のデジタルコンテンツ販売の増収で補えず、減収となった。

出版メディアについては、デジタルカメラ関連の雑誌販売及び広告収入が増収となったことに加えて、書籍刊行タイトルの増加などにより書籍販売が堅調に推移し、増収となった。
ターゲットメディアについては、登録顧客向けのメディア事業が主な事業内容であり、広告収入が収益の中心となっている。エンタープライズIT専門誌「IT Leaders」の広告収入は、前期の震災影響等による厳しい状況からは回復しつつあり、関連サービスも堅調に推移し、増収となった。
これらの結果、売上高は、デジタル広告の減収を出版メディアとターゲットメディアで補い、前年同期(8億3,200万円)比1.9%増の8億4,700万円となった。

■サービス事業
サービス事業は、前第2四半期連結会計期間にソフトウエアのオンライン販売事業を事業譲渡しており、販促物等の受託制作及びその周辺サービスが中心となっている。

受託制作等のサービスについては、中国市場向けのプロモーションツールの制作受託の堅調な推移に加え、セミナー等のイベント収入は堅調に推移したが、事業譲渡に伴う売上高の減少(前期実績:1億7,300万円)を補えず、減収となった。
これらの結果、サービス事業の売上高は、受託制作やイベント収入は増収となったが、事業譲渡による減収により、前年同期(3億9,000万円)比34.8%減の2億5,400万円となった。

以上により、「IT」の売上高は、前年同期(12億2,200万円)比9.8%減の11億100万円となった。セグメント利益では、ソフトウエア販売事業の事業譲渡による利益影響は限定的であり、原価抑制や固定費削減により補い、前年同期(2,300万円)比6.5%減の2,100万円の利益となり、前年とほぼ同水準となった。

<音楽>
■メディア事業
音楽セグメントは、出版メディアが中心となっている。当第1四半期連結累計期間については、書籍の販売が堅調だったことに加えて、楽器購入者向けの購買支援サイト「楽器探そう!デジマート」における楽器店からの登録料収入等が堅調に推移し、増収となった。

以上により、「音楽」の売上高は、前年同期(6億300万円)比0.5%増の6億600万円、セグメント利益は、前年同期(6,400万円)比0.5%増の6,500万円の利益となった。

<デザイン>
■メディア事業
デザインセグメントは、出版メディアが中心となっている。当第1四半期連結累計期間については、デザイン関連の書籍等の出荷が堅調に推移したことに加えて、デジタル広告も増収となったが、ムックの刊行タイトル減少による出荷規模の縮小などにより、減収となった。

以上により、「デザイン」の売上高は、前年同期(1億4,900万円)比7.9%減の1億3,700万円となった。セグメント利益では、原価削減効果は限定的となり減収を補えず、前年同期(100万円)に比べ500万円利益が減少し、400万円の損失となった。

<医療>
■メディア事業
医療セグメントについては、「持分法適用会社が営む事業」と位置付けている。当第1四半期連結累計期間については、受託制作等のサービス事業は堅調に推移いたしたが、広告収入等が減収となり、セグメント利益では、前年同期(500万円の損失)に比べて500万円損失が増加し、1,000万円の損失となった。

<山岳・自然>
■メディア事業
山岳・自然セグメントの同事業は、出版メディアが中心となっている。当第1四半期連結累計期間については、出版広告及びデジタル広告の増収に加えて、書籍刊行タイトルの増加などにより書籍販売が堅調に推移し、増収となった。

なお、デジタル事業については、デジタルコンテンツの販売などによる収入や登山情報サイト「Yamakei Online」の広告収入を中心に堅調に推移している。
以上により、「山岳・自然」の売上高は、前年同期(4億6,200万円)比3.0%増の4億7,600万円となった。セグメント利益では、増収効果に加えて、固定費削減や返品率の改善などにより、前年同期(6,000万円)比58.8%増の9,500万円の利益となった。

<モバイルサービス>
モバイルサービスセグメントは、モバイル端末向けのコンテンツ制作、配信ソリューション及び関連サービスの提供が中心となっている。当第1四半期連結累計期間については、スマートフォン向けの新規事業の開発に向けて準備を進めているものの、メディアの広告収入が減少したことに加えて、コミック関連のサービスサイトの運営受託収入などが減少したことにより、減収となった。

以上により、売上高は、前年同期(1億9,200万円)比4.7%減の1億8,300万円となった。セグメント利益では、固定費等のコスト削減により減収を補い、前年同期(100万円)に比べて1,300万円増益となり、1,500万円の利益となった。

<その他>
その他セグメントについては、売上高は、前年同期(5,700万円)比6.2%減の5,400万円となった。セグメント利益では、電子出版を中心とした新規事業開発、既存事業の活性化及びR&Dを目的とした投資を行ったことにより、前年同期(500万円)比56.2%減の200万円の利益となった。

<全社>
全社セグメントは、グループの戦略策定及び経営管理等の機能を担う当社と、物流・販売管理機能を担う株式会社インプレスコミュニケーションズが区分されており、グループ会社からの配当、情報システム等の経営インフラの使用料及びグループ会社の物流・販売管理に伴う手数料収入を売上高として計上し、経営インフラ等の運営に係る費用を負担している。

当第1四半期連結累計期間の全社区分については、売上高は、グループ各社からの配当収入が増加したことなどにより前年同期(3億3,200万円)比51.4%増の5億300万円と大幅に増収となった。全社セグメントの利益は、前年同期(4,000万円の損失)に比べ1億6,100万円損失が減少し、1億2,000万円の利益となった。