電通、2011年3月期決算発表 売上増・経常利益増の結果に 「FIFAワールドカップ」など足がかりに下期から業績改善へ

株式会社電通は5月12日、2011年3月期(2010年4月1日~2011年3月31日)の連結および単体業績について決算を発表した。

売上高   : 1兆8334億円(前年同期比 9.2%増)
営業利益  : 509 億円(同 36.5%増)
経常利益  : 541 億円(同 20.9%増)
当期純利益 : 216 億円(同 30.5%減)

2010年の日本の広告費(同社調べ)は、5兆8,427億円(前年比1.3%減)で、3年連続での減少となっている。「テレビ広告費」(同1.1%増)がやや増加したものの「マス四媒体広告費」(同1.9%減)が6年連続して前年を下回り、クライアント各社も広告支出を控えるなど、昨年度に続き非常に厳しい経営環境が続いた。
同社グループでは、2009年7月に策定した中期経営計画「Dentsu Innovation 2013」に基づいてさまざまな具体的施策を実施。2010年は、「FIFAワールドカップ南アフリカ大会」(2010年6月~7月)などを足掛かりに多面的なビジネスを展開した結果、下期に業績を改善した。これにより、当期の連結業績は、売上高が1兆8,334億4900万円(前期比9.2%増)、 売上総利益は3,176億9600万円(同7.2%増)、営業利益は509億3700万円(同36.5%増)、経常利益は541億6600万円(同20.9%増)となった。ただし、特別損失として、のれん償却額および投資有価証券評価損等を計上したことにより、当期純利益は216億3500万円(同30.5%減)と、最終的に前年比でマイナスとなっている。