博報堂買物研究所、“ネットとリアルの買物”の差を調査 「ネットだけでは不十分」65.1%
株式会社博報堂の買物研究所は12月9日、買物する生活者の本音を発見するための調査や実験結果である「買物レポート」の最新版を公表した。今回のテーマは「ネットとリアルの買物意識」となっており、全国の10代~60代の男女1555名にインターネットアンケート調査を実施した。調査実施時期は2010年10月5日~10月8日。
それによると、全体の77.7%が「ふだんの買物で、ネットとリアルを意識的に使い分けている」と回答。 「使い分けている」と回答した人に「買物をするときネットとリアルをどのように使い分けていますか?」と自由回答で聞いたところ、ネットを積極的に利用するのは、趣味の買物や贈答品の購入、たまの贅沢品の購入など“冷静にじっくりと考えて買いたいとき”、日常的に消費・利用する食料品・生活雑貨・化粧品の購入などを“手間や時間をかけずに買いたいとき”、米・ワイン・大きな物の購入など“大きなものや重いものを買うとき”であることが分かった。一方、リアルを積極的に利用するのは、店頭ディスプレイや店員との会話も含めた“ショッピング自体を楽しみたいとき”や、試着が必要な洋服の購入など“五感で商品を確かめたいとき”であることが分かった。
また、年代が上がるほど、ネットとリアルの買物を意識的に使い分ける人の割合が高く、「どのように使い分けているか」という質問についての自由回答を見ると、重いものやかさばるものを買うときにネットを使用するという回答が多く見られた。年配になるほど体力面において、より物理的な制約に左右されやすくなることがその背景にあるものと考えられる。
さらに全体の65.1%が「ネットの買物がどれだけ浸透しても、ネットだけでは不十分」と回答。男性が60.2%、女性が69.9%と、女性の方が男性を10%近く上回っている。また、年代別に見ると、若年層(特に20代)と比較し、40代以上の中・高年齢層で高い割合を示している。
また全体の55.4%が「自分の知らなかった欲しいものが見つかるようになった」という質問に対して「そう思う」「ややそう思う」と回答した。そして全体の約半数が「ネットのお店のリアル事業への参入/リアルのお店のネット事業への参入」について「利用したい」と回答。自由回答で質問したところ、品揃え・低価格などのネットの買物の魅力と豊富な商品情報提供・接客サービス・アフターケアなどのリアルの買物の魅力を両方組み合わせたお店を期待していることが分かった。