エキサイト、通期業績予想を上方修正 ポータルサイトの広告収益は低調に推移

エキサイト株式会社は8月9日、5月7日に発表した平成23年3月期の業績予想を上方修正した。計画通りに売上高が推移している中、費用を抑制した営業活動を行うことによって営業損失や経常損失を縮小させている。また、事業領域の見直しに伴う固定資産売却益(特別利益)が予想を上回り、9月に予定している本社移転に伴う諸費用が具体化したことで第1四半期に事務所移転費用引当金繰入額(特別損失)を計上できたことによって、四半期純損失も縮小できた。

<第2四半期連結累計期間(平成22年4月1日~平成22年9月30日)>
売上高:49億8,000万円(前回予想から+8,000万円)
営業利益:▲1億2,000万円(同 +7,500万円)
経常利益:▲1億2,200万円(同 +6,800万円)
四半期純利益:▲1億5,000万円(同 +8,000万円)

なお、通期の業績予想についても、予想値を上方修正している。

<通期(平成22年4月1日~平成23年3月31日)>
通期(平成22年4月1日~平成23年3月31日)
売上高:49億8,000万円(前回予想から+8,000万円)
営業利益:▲1億2,000万円(同 +7,500万円)
経常利益:▲1億2,200万円(同 +6,800万円)
四半期純利益:▲1億5,000万円(同 +8,000万円)

また、エキサイトは同日、平成23年3月期第1四半期決算短信も発表している。

<平成23年3月期第1四半期の連結業績(平成22年4月1日~平成22年6月30日)>
売上高:24億6,800万円(対前年同期比 13.1%減)
営業利益:▲6,800万円(前年同期は6,300万円の損失)
経常利益:▲7,000万円(前年同期は8,800万円の損失)
四半期純利益:▲1億2,000万円(前年同期は1億600万円の損失)

子会社(クロスリスティングおよびエキサイト・ミュージックエンタテインメント)の譲渡により、連結収益が減少。連結子会社の減少により売上総利益が減少した一方で、人件費をはじめとする経費の削減が進み、販売費及び一般管理費は減少している。

また、音楽関連サービスの整理を進める中で無形固定資産の売却により2,600万円の特別利益を計上。会計基準の適用に伴う影響額6,500万円を損失処理したほか、本社事務所の移転費用引当金繰入額1,200万円を特別損失に計上している。

セグメント別では、ポータルサイト運営を中心とするメディア事業はパフォーマンス型の広告商品の開発を積極的に進め、ブログサービスに広告枠を設けるなどのマネタイズ戦略を強化してきたが、競争は厳しく広告商品の販売は低調に推移したため、売上高は8億5,600万円となっている。営業利益は、連結子会社ビューティーナビの損失が厳しいものの、3,000万円の利益を計上している。

コミュニケーションサービスやプロバイダー事業を展開するコンシューマーサービス事業は、対戦型オンラインゲームの中止などによる減収要因があったが、電話占いサービスやプロバイダー事業が堅調に推移し、16億1,200万円の売上高となった。これによって、1億4,600万円の営業利益を計上している。