新聞協会などが日本版フェアユース規定導入反対の意見書 「保護」を主張

社団法人日本新聞協会や社団法人日本雑誌協会など6団体は、「権利制限の一般規定」導入に関する意見書を、文化審議会 著作権分科会 法制問題小委員会に対して提出した。

これは、同委員会で検討が進んでいる日本版フェアユース規定に対して導入を反対するもの。

このなかで、ウェブページの印刷について、新聞社や一部の出版社では、発行している出版物などを無償でインターネットで公開している場合があるが、これらは本来、印刷媒体で発行され、別途、流通ルートを通じて有償で販売されているもの、あるいは「広告モデル」として広告収入・効果を目的に無償で公開されているもの。

これらのウェブページが権利制限によって私的使用の範囲を超えて許諾なく利用されることになってしまうと、広告媒体としての価値が失われ、あるいは印刷媒体を購入する必要はなくなり、新聞社・出版社は大きな影響を被るとしている。

加えて、企業内での複製利用については、既に日本複写権センター、学術著作権協会、出版者著作権管理機構という主要3団体だけでも、「企業内での著作物の複製利用」の年間使用料収入は10億円を超えているといい、それ以外に全国の新聞各社の個別の利用許諾などもある。
もし、フェアユースにより企業内でのWebページの印刷が無料化されれば、これら収入は壊滅的な打撃を受ける。

また、質の高いコンテンツを作るためには、多大な労力とコストがかかるのは当然。
広告モデルとしてのWebコンテンツは、米国の有力新聞社でウェブページの有料化が相次いでいることをみても、ビジネスモデルとして限界を迎えつつあることは明らかであり、このような状況に加えて日本版フェアユース規定を導入することは、デジタル文化の発展を抑制するとしている。