大日本印刷、2023年3月期通期決算を発表 売上高は増加も営業・純利益が減少
大日本印刷株式会社は、2023年3月期通期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績を発表した。
【連結経営成績】
売上高 :1兆3732億900万円(前期比 2.2%増)
営業利益 :612億3300万円( 同 8.3%減)
経常利益 :836億6100万円( 同 3.0%増)
当期純利益 :856億9200万円( 同 11.8%減)
印刷事業の情報コミュニケーション部門について、情報イノベーション事業は、POP(店頭販促ツール)・商業印刷物・ビジネスフォーム等の紙媒体が減少したものの、金融機関向けのICカードやマイナンバーカード、政府の経済対策案件のBPO事業等が増加し増収となった。イメージングコミュニケーション事業も、主力の米国をはじめ欧州・アジア市場でも、写真の撮影・プリント用の部材とサービスが好調に推移し、増収。出版関連事業は、雑誌等の紙媒体の市場縮小にともなう印刷受注の減少に加え、紙と電子の両方に対応したハイブリッド型総合書店「honto」でも前年の巣ごもり需要からの反動減などがあり、減収となっている。この結果、部門全体の売上高は7202億円(前期比3.0%増)だった。営業利益は、注力事業の売上増や為替のプラス効果があったものの、出版関連事業の減収のほか、原材料・エネルギー・物流関連のコスト上昇の影響を受け、267億円(同3.2%減)となっている。
生活・産業部門について、包装関連事業は「DNP環境配慮パッケージング GREEN PACKAGING」の開発・販売などに努めた結果、フィルムパッケージは数量は前年並みだったものの、価格転嫁が進み、プラスチック成型品も増加したことにより、包装関連事業全体で増収となった。生活空間関連事業は、国内の新設住宅着工戸数減少にともなって住宅用の内外装材が落ち込み、海外向けもインフレによる景気低迷の影響を受けて欧米市場を中心に減少。しかしながら、価格転嫁に努めたことによって前年並みとなった。このほか、産業用高機能材関連事業も前年並みを確保している。結果的に部門全体の売上高は4002億円(同3.4%増)だった。営業利益は、原材料やエネルギー等のコスト上昇分の価格転嫁にタイムラグが生じたことに加え、収益性の高い注力事業も伸び悩んだため、73億円(同45.8%減)となっている。
エレクトロニクス部門については、ディスプレイ関連製品事業は減収、電子デバイス事業は増収。結果的に部門全体の売上高は2035億円(同3.6%減)、営業利益は469億円(同1.0%増)となった。
〈今後の見通し〉
2024年3月期の連結業績予想は、売上高1兆4100億円、営業利益670億円、経常利益780億円、当期純利益660億円となっている。
■リリース
https://irvision2next.blob.core.windows.net/7912/ir/12517183971399999999_68dae631-879e-4315-a9e8-f01b62e8d599.pdf