フジ・メディアHD、2023年3月期通期決算を発表 前年度比2.0%の増収も営業・経常利益は減益
株式会社フジ・メディア・ホールディングスは、2023年3月期通期の連結業績(2022年4月1日~2023年3月31日)を発表した。
【連結経営成績】
売上高 :5356億4100万円(前期比 2.0%増)
営業利益 :314億100万円( 同 5.8%減)
経常利益 :390億5300万円( 同 14.2%減)
当期純利益 :468億5500万円( 同 88.3%増)
売上高は、メディア・コンテンツ事業、都市開発・観光事業が共に増収し、全体では前期比2.0%増となった。利益面では、営業利益は都市開発・観光事業が増益だったものの、メディア・コンテンツ事業は減益で、全体では同5.8%の減益となった。経常利益は持分法による投資利益の減少が響き、同14.2%減益となっている。当期純利益は、特別利益における投資有価証券売却益や退職給付信託設定益の計上が寄与し、同88.3%の増益だった。
メディア・コンテンツ事業において、主力の放送事業のうち、全国放送を対象とするネットタイムセールスは、レギュラー番組が前年並みに推移。しかしながら、単発番組が前期の「東京2020オリンピック」や「北京2022オリンピック」の規模には及ばず減収となり、ネットタイムセールスの売上高は692億5300万円で同3.6%の減収となっている。関東地区への放送を対象とするローカルタイムセールスは同4.1%の減収だった。
スポットセールスについても、視聴率の苦戦や原材料価格の高騰および円安等を背景とした物価上昇の影響により、前期比で9.4%の減収となった。民放公式テレビポータル「TVer」などを通じた配信広告セールスは同73.8%の増収と大きく伸長した。これらの結果、中核子会社である株式会社フジテレビジョン全体の売上高は同0.4%減収の2374億円となり、営業利益は同31.9%減益の76億7700万円となった。
同じくメディア・コンテンツ事業に属する株式会社クオラスは、テレビ広告やWEB広告など広告収入が増加したほか、経済活動の再開に伴いイベント関連収入が好調に推移して増収増益となっている。
〈今後の見通し〉
2024年3月期の通期連結業績予想は、売上高5577億円、営業利益320億円、経常利益393億円、当期純利益260億円となる見込み。
■リリース
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120230510563878.pdf