日テレHD、動画配信や物品販売が好調もスポット広告の大幅な低迷で減収減益 2021年3月期
日本テレビホールディングス株式会社は、2021年3月期の連結業績(2020年4月1日~2021年3月31日)を発表した。
●日本テレビホールディングス 業績概要
【連結経営成績】
売上高 :3913億3500万円(前年同期比 8.3%減)
営業利益 :345億2600万円( 同 19.9%減)
経常利益 :429億4400万円( 同 12.7%減)
当期純利益:240億4200万円( 同 21.3%減)
主たる事業であるメディア・コンテンツ事業に関して、地上波テレビ広告収入のうちタイム収入は、レギュラー番組枠において堅調に推移したものの、前期の「ラグビーワールドカップ2019日本大会」による収入の反動減やコロナ禍によるスポーツ中継番組の減少などにより、前連結会計年度に比べ46億9800万円減収の1210億600万円。スポット収入は、スポット広告市況の大幅な低迷の影響により、前連結会計年度に比べ166億1300万減収の1,052億3300万円。この結果、地上波テレビ広告収入は前連結会計年度に比べ213億1100万円減収の2262億3900万円となった。
BS・CS広告収入は、BS広告収入においてスポット収入の増収はあったもののスポーツ中継番組の減少などによるタイム収入の減収により、前連結会計年度に比べ2億7300万円減収の141億8300万円。その他の広告収入は、民放公式テレビポータル「TVer」などによる動画広告の増収により、前連結会計年度に比べ3億6100万円増収の28億4300万円となった。
コンテンツ販売収入は、動画配信サービス「Hulu」の会員数が引き続き好調に増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ54億1400万円増収の734億7800万円となり、物品販売収入は、巣ごもり需要で通販「日テレポシュレ」が好調に推移したことなどにより、前連結会計年度に比べ4億8700万円増収の261億1300万円となった。
興行収入は、幹事映画「今日から俺は!!」や「新解釈・三國志」が大ヒットとなったものの、コロナ禍によるイベント等の中止・延期により、前連結会計年度に比べ22億3300万円減収の82億500万円。その他の収入は、コロナ禍によるイベント業務受託収入の減収などにより、前連結会計年度に比べ19億9800万円減収の127億4900万円となった。
この結果、メディア・コンテンツ事業の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ198億4400万円減収の3643億7500万円となり、また、営業費用において、コロナ禍による減少やコストコントロールがあったものの、「東京2020オリンピック・パラリンピック」の放送権料に関わる評価損の計上により、営業利益は前連結会計年度に比べ19億8500万円減益の386億2400万円となった。
●日本テレビホールディングス 今後の見通し
2022年3月期の連結業績予想については、売上高3920億円、営業利益350億円、経常利益410億円、親会社株主に帰属する当期純利益280億円の見込み。
主たる事業であるメディア・コンテンツ事業においては、収益認識に関する会計基準等の適用による減収があるものの、「東京2020オリンピック・パラリンピック」の影響及びスポット収入の復調による地上波テレビ広告収入の増収や、動画配信事業のさらなる拡大、コロナ禍影響を大きく受けた事業の反動増などから、2021年3月期連結会計年度に比べ6億6500万円の増収となる見込みとなっている。