大日本印刷、2021年2Q決算は減収減益 産業資材・光学フィルムなど一部を除きほとんどの部門が減収

大日本印刷株式会社は、2021年3月期第2四半期の連結業績(2020年4月1日~2020年9月30日)を発表した。

【連結経営成績(累計)】
売上高    :6446億3800万円(前年同期比 7.1%減)
営業利益   :175億6300万円( 同 31.6%減)
経常利益   :217億9300万円( 同 25.9%減)
四半期純利益 :114億3400万円( 同 84.9%減)

主軸の印刷事業において、情報コミュニケーション部門は、マイナンバーカード等のIDカードやBPO関連の事業が順調に拡大したが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会などの延期や中止、キャンペーン等の広告需要の縮小、パンフレットやカタログ等の紙媒体の落ち込みがあった。外出自粛の影響などによって、観光地やイベント会場でのイメージングコミュニケーション事業も減収。出版関連事業は、外出自粛や休校等によって自宅で過ごす機会が増えたが印刷受注そのものの減少が続き、部門全体の売上高は3463億円(前年同期比8.6%減)、営業利益は64億円(前年同期比49.9%減)となった。

生活・産業部門において、包装関連事業は、感染症への対策等により、医薬・衛生材料向け包材の需要が増加したが、外出自粛によって飲料や土産品、飲食店向け等の業務用包材が減少。国内の住宅建築やリフォームの延期・休止によって生活空間関連事業も減収だった。産業用高機能材関連事業は、リチウムイオン電池用バッテリーパウチが、環境負荷低減につながる電気自動車向けに需要が増大していることに加え、テレワークの広がりなどによってタブレット端末やスマートフォン向けなども増加し、増収となったが、部門全体の売上高は1786億円(前年同期比9.4%減)、営業利益も減収の影響が大きく38億円(前年同期比22.6%減)となった。

エレクトロニクス部門においては、自動車関連製品の需要や生産の減少などを受けて、車載用途の各種製品の販売が落ち込んだ。一方、光学フィルム関連は、プロジェクター用スクリーンなどが減少したものの、テレワークや巣ごもり需要の拡大により、タブレット端末やモニター向けが増加した他、テレビ向けも好調に推移し増収。電子デバイス事業も、テレワークの拡大やIoT機器の普及を背景に、需要が全般的に拡大し、増収となった。この結果、部門全体の売上高は965億円(前年同期比2.1%増)となったが、営業利益は、付加価値の高いディスプレイ関連製品の減収などにより、179億円(前年同期比1.0%減)に留まった。