大日本印刷、2020年決算は売上高は前年並みながら利益を上乗せ
大日本印刷株式会社は、2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)の業績を発表した。
【連結経営成績】
売上高 :1兆4018億9400万円(前年同期比 0.0%増)
営業利益 :562億7400万円( 同 12.8%増)
経常利益 :637億8600万円( 同 9.5%増)
当期純利益 :694億9700万円(前年 マイナス356億6800万)
第4四半期においては、新型コロナウイルス感染症の影響もあったが、3月末に始まった第5世代通信規格(5G)サービスに合わせ、透明アンテナフィルム、放熱部品のベーパーチャンバーなどの電子部品を提供した他、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)コンテンツや4K・8K映像配信、IoT関連サービスの開発などにも取り組んだ。通期の具体的な事業展開としては、ICカードやリチウムイオン電池用バッテリーパウチ、有機ELディスプレイ製造用のメタルマスク、写真プリント用熱転写記録材、ディスプレイ用光学フィルムなどをさらに強化した。
ただし部門別では、印刷事業の情報コミュニケーション部門が増収増益、生活・産業部門が減収増益、エレクトロニクス部門は減収減益だった。
全体では収益性が向上し、売上高は前年と同水準ながら営業利益率は、前期比0.4ポイント増の4.0%となった。また、資産の有効活用と効率化のため、2,093万株・599億円の自己株式を取得した。一方で、収益性が低下した事業用資産と今後使用見込みがない遊休資産について減損処理を行い、減損損失265億円を特別損失として計上した。