“加藤公一レオ”の「広告業界的ぶっちゃけ話」

通販王国と言われる九州で、一貫してダイレクトマーケティング型ネット広告に従事し、ネット広告の第一人者と言われる株式会社売れるネット広告社の加藤公一レオ氏の広告業界的“辛口コラム”

加藤公一レオ

第13回:加藤公一レオの“コンサルティング極意7か条” ~クライアントと対等な関係を築くことが売上を最大化する!~

 

ズバリ、結論から言うと、世の中の広告マンの“9割以上”がクライアントの“奴隷”状態に陥っている!そしてこの“奴隷”状態こそ、クライアントの売上を劇的に上げることにおいて、あらゆる障害となっているのだ!

 

最近の広告業界と言えば、電通自殺事件もあって“働き方改革”が叫ばれているものの、そんなの結局キレイゴトなのである。クライアントから金曜日の夕方、「週明けまでにやっといてよ!」と言われて週末に対応するとか、「コンペやるから資料作ってきて営業さん!」と言われて通るかどうかわからない提案資料の作成に膨大な時間を費やすことになることなんて日常茶飯事。つまり、“何でもすぐにやってくれる業者扱い”をされているのが実態だ。

 

断言しよう。クライアントと対等な関係を築くことができる広告マンこそ、本当の意味でクライアントの売上拡大に貢献できる!もっと言うと、クライアントから先生扱いされるような“コンサルティング”ができて初めて、クライアントと対等になれるのだ。

 

今回のコラムでは、なぜクライアントと対等になることが売上拡大に必要なことなのか、私が大手広告代理店をやめて起業した経緯と、これまで17年もの間この業界にいるからこそ分かる経験を踏まえて、“コンサルティング極意7か条”についてお話しよう!

 

 

【世の中の一般的な広告マンの“9割以上”はクライアントの“奴隷”である!】

かく言う私も、実はクライアントの“奴隷”状態だった20代を過ごした。当時は毎日、深夜2時ぐらいまで働いて、心身ともに疲れ切ってタクシーで家に帰り、数時間だけ休んでまた朝出社するような生活が普通だった。キレイゴト無しに自信をもって言えるのだが、私は日本で5本の指に入るレベルのハードワーカーだった。

上司からは「売上を上げろ!」といつも怒鳴られ、スタッフからは「仕切りが悪いよ営業さん!」といつもいじめられ、クライアントからは「コンペで提案して!」と都合の良い“業者扱い”をされていた。

 

そんな状態を耐え抜いていたのは、私は広告業界のスーパースターを目指していたからだった。仕事をしていく上で業界トップになるためにすべきことは、圧倒的な知識と経験を誰よりも多く積み、何より“クライアントに尽くし続けることが大事”だと思っていた。ハードワークに耐え抜き、プラス思考で一生懸命クライアントに尽くして努力し続ければ、いつかきっと大成功して“売れる広告マン”になれると信じていたのだ。

 

ただ、そんな状態でいい結果を出せるはずもなかった。精神的にキツかったし、自分の売上は上がらなかったし、何より一番の目的である“クライアントの売上を最大化して大成長させる”こともできなかった。そして気づいたのである。自分がクライアントの“奴隷”に成り下がっているということに。

 

いつどんな時も、どのような要望でも、さらに酷いことを言うと、“クライアントの売上拡大につながらないこと”だったとしても、すべて従わざる負えない状況を自ら作ってしまっていた。私だけでなく、周りにいた広告マンはみんな、そんな酷い状態だった。

 

クライアントの“奴隷”状態を脱却しなければ、クライアントが本当に求めている売上拡大には貢献できないのではないか? と考えるようになった。クライアントの無理難題に応えるのではなく、広告の“プロ”としてクライアントと対等な立場で“コンサルティング”が出来るような、そんな広告マンの方がクライアントの売上拡大という一番コアな目的を達成できるはずだと思ったのである。

 

そこで私は、“奴隷”状態の脱却を図るために、28歳の時に“やりたくないことリスト”を作った。この“やりたくないことリスト”に沿って、クライアントと対等な立場になるように振る舞ってみると、驚くほど簡単に仕事がうまく回り始めた。上司からの売上目標も余裕で達成できたし、スタッフから仕切りの悪さを指摘されることなくむしろ自分で全てを仕切れるようになったし、クライアントの売上を劇的に上げることができて“業者扱い”をされることもなくなった。

 

これが後に、『売れるネット広告社』という会社の“方針・ポリシー”となったし、クライアントと対等な立場を築くための重要なバイブルとなった。私がこの業界でトップを走り続けられている秘密でもある。その“やりたくないことリスト”とはどんなことなのか、どのようにすればクライアントと対等な立場を築けるのか、具体的にご紹介しよう!

 

 

【“コンサルティング極意7か条”~クライアントの“奴隷”脱却方法~】

①アウトバウンド営業はやるな!インバウンド営業に徹するべき!

無差別なテレアポ営業形式は、一般的にアホな広告マンがやることである。そうではなく、向こうから来るようにするべきだ。

 

恋愛に例えると分かりやすい。手当たり次第に自分からガンガンアタックして、告白しても、相手は引いていくし上手くいくことはほとんどない。というか逆にうっとうしいと思われるだろうし、ぶっちゃけそんな相手、対等な扱いなんてしないだろう。いかに相手に好意を持ってもらうか。過度に売り込まず、「よかったらお付き合いしませんか?」と歩み寄り、パートナーとして支え合う関係性を築こうという姿勢を示すべきなのである。

 

具体的には、“無料のセミナー”を開催したりして、こっちから過度に売り込むようなことはせず、「よかったら売上拡大のためのノウハウを聞きにきませんか?」程度にしておく。こういう入口にするだけで、クライアントから舐められることはなくなるし、なんならこちらが“先生”扱いされるほどだ。我々は広告の“プロ”なわけだし、売上拡大のノウハウを持つ広告マンとして自信満々でいた方が、結果的にクライアントとの関係性はうまくいく。

 

②競合コンペに参加するな!“勉強会”を実施して“先生”扱いされるようになること!

競合コンペばかりを行うクライアントや、責任者が明確ではないクライアントの仕事は断った方がいい。クライアントに「ウチもコンペに参加させてください」と言うより、「ウチはコンペなんてくだらない場では提案しません!」と言い切った方が、実は仕事は決まりやすい。効果的な処方箋を出すためには一対一での問診が必要なように、効果のある広告には絶対に一人のクライアントと一人の広告マンの信頼と責任のもとで行われる必要がある。

 

仮に仕事が決まった後も、広告の“プロ”である我々の方がノウハウをたくさん持っている。つまり“先生”扱いされている方がクライアントとの関係性はうまくいく。

 

コンペやプレゼンという形式ではなく、クライアントと“勉強会”という形式を提案すべきだ。“勉強会”という場ではクライアントも構えないし、何よりもその入口から入ると“先生”と“生徒”の関係からスタートする。まさにクライアントと対等な関係を築く最強の手法である。

 

また、ここで重要なことは、「一緒にやりますか?うちの手法に乗るのであれば、売上は“100%確実”に“約束”しますし“保証”します。」と伝えることである。あくまでも、一緒にやるというスタンスを崩さないことだ。

 

③値引き交渉されたら全力で断れ!
売上最大化を“約束”して徹底的にクリエイティブにこだわれるリソースを!

金額交渉をしてくるクライアントがたまにいるが、そういう時には『コストを“5%”下げたいですか?それとも売上を“500%”上げたいですか?』と答えよう。クライアントの売上を徹底的に上げれば、こまごまとした値引き交渉なんて誤差の世界だからだ。

 

たった一度でも値引きがまかり通ってしまったら、制作会社の意欲はどんどん落ちていくし、求めるクオリティが担保されなくなってしまう。そのためにも、一切値引き交渉に応じない。値引き交渉をされた時点で、私は仕事を降りたことすらある。

 

値引きではなく、売上で還元すべきなのだ。その価値観を共有できないクライアントとは対等な関係を築けない。

 

④現場担当者同士だけで打ち合わせをするな!必ず決裁者を同席させろ!

多くの広告マンはクライアントに好かれようとするあまりに、呼ばれたらハイハイと尻尾を振って出かけていくが、この姿勢が「クライアントは“神様”、広告マンは“奴隷”」という関係を作ってしまっている。

 

断言するが、現場レベルで話が進んだとしても、決裁者がそもそもウチとは仕事をしないと言えば、それにかけた時間や労力は一切意味がない。クライアントとの打合せには必ず決裁者を同席させて、その場で意思決定をしてもらうことが重要なのだ。このスピード感がないと、特にネット広告の分野ではなおさら、生き残っていけない。

 

広告マンがクライアントと対等な関係を築かないと広告活動は絶対にうまくいかないわけだし、ペコペコするより実力をつけて決裁者相手であっても自信満々に“強気”な対応をした方が意外とうまくいく。

 

⑤全ての仕切りを任せてくれない案件は取引を断れ!他代理店は排除・一任されるべき!

「あの会社と取引しないで」といった条件を提示してくるクライアントが多いのだが、我々は一業種一社制ではないので、そういう条件・指示は一切受けない。そういう依頼をしてきたクライアントは取引自体を断るようにしている。逆に我々は他代理店徹底排除を条件としている(笑)なぜなら、一任されなければ色んな縛りも増えるし、代理店同士で競わされることになるし、結局クライアントが我々を比較・検討することになるからだ。

 

我々に広告運用を一任してくれた方が、広告マンに「自分事」精神を芽生えさせるし、徹底的にプランニング・検証・最適化を図ることができる。この「自分事」精神をクライアントと共有し、キャンペーンの結果に一喜一憂すること、クライアントと一緒に成長体験をしていくことが対等な立場を築き上げるし、信頼に繋がっていく。

 

⑥1社だけで自分のクライアントの売上比率の半分占めるような仕事の仕方をするな!
クライアントは複数、全クライアント平等に及第点を取れる方が絶対にいい!

 

例えば1社で自分のクライアントの売上比率5割を占めるようだと、そのクライアントを失ってしまったときのリスクにおびえてしまい、結局そのクライアントにペコペコしてしまう。この依存は非常に危険。そのクライアントが取引停止にならないように“奴隷”化してしまうのだ。

 

私は独立後、「このクライアントを失ったら困る」といった思いをもったことがない。1社に依存するやり方ではクライアントと対等な立場になりえないのを経験的に知ったからである。自分のクライアントのうち、1社だけ目標達成率が120%、あとのクライアントは50%になることよりも、全クライアント80%の目標達成率で平等化したほうがよっぽどマシである。ちなみに、現在『売れるネット広告社』は200社以上と取引している。

 

⑦会社の看板にぶら下がるのはやめろ!
個人名で仕事が取れるように徹底的に自己ブランディングをすべき!

クライアントから“先生”扱いされるためには、会社の看板ではなく、個人名で仕事を取れるようになるべきである。そのためには徹底的に自己ブランディングをすべきなのだ!

 

例えば、本の執筆、アドテックのような大きなイベントで講演したり、業界に特化した媒体の連載・コラムの枠やSNSの投稿で、自分の価値観や想い・ノウハウなどを外に発信すること。そうすることで業界から一目置かれ、クライアントから「この人すごい!」と思ってもらえるし、安心して任せてもらうことができる。

 

むしろ、SNSが発達しているこのご時世で、それを利用しない意味が分からない。自分を名をアピールできるツールを活用しないなんて非常にもったいない!個人名で仕事が取れるぐらい圧倒的な知名度と実力があれば、例え明日会社が倒産したとしても困らないし、その自信が会社のしがらみに惑わされることなく、本当にクライアントの売上拡大に必要なことは何かを考えて提案・行動ができるはずだ。その積み重ねは絶対クライアントに伝わるし、「この人とだから一緒に仕事がしたい」と思ってもらえるような信頼を勝ち取ることが重要なのである。

 

 

【クライアントと対等な立場で“コンサルティング”ができるのが“売れる広告マン”】

 

以上、“コンサルティングの極意7か条”いかがだっただろうか。クライアントと何でも言い合える対等な関係の先にある真のゴール、それは何度も繰り返してお伝えしている通り、売上最大化なのである。“売れる広告マン”になるためには、クライアントと対等な立場で“コンサルティング”ができるようにならなければならない。

 

私はクライアントの“奴隷”状態から脱却したくてアサツー ディ・ケイを退職して起業を果たした。『売れるネット広告社』を設立してすぐに、60社を超える引き合いが殺到し、小さなベンチャー企業なのに面白いぐらいに日本の大手ナショナルクライアント通販のほとんどを独占していった。その時、私がやってきたことが間違いでなかったと確信できた。『売れるネット広告社』のコアとなる“方針・ポリシー”を“コンサルティング”としている理由のすべてがここにある。

 

広告マンがたとえどんなに人間として好かれても、日々のきめ細かい作業を感謝されても、広告賞をいっぱいとっても、最終的に“レスポンスを上げクライアントの売上を上げる”という「結果」を出せないと、広告マンとして失格なのだ。

 

クライアントの売上を上げると、自然とそのクライアントの広告費は毎年上がっていく。それだけではなく、噂が噂を呼び、あらゆるクライアントから指名で仕事の依頼がくるようになる!広告マンは結果を残してナンボなのだ!!!
クライアントの“奴隷”となっている広告マン全員に告ぐ。今すぐその“奴隷”から脱却して、クライアントと対等な立場を目指すべきだ!それこそが“売れる広告マン”になるための第一歩である。

 

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