“加藤公一レオ”の「広告業界的ぶっちゃけ話」

通販王国と言われる九州で、一貫してダイレクトマーケティング型ネット広告に従事し、ネット広告の第一人者と言われる株式会社売れるネット広告社の加藤公一レオ氏の広告業界的“辛口コラム”

加藤公一レオ

第22回:アドテックで3年連続日本一のプロが教える、“成功するプレゼン”の6つの秘訣

 

 

こんにちは、『売れるネット広告社』代表取締役社長 CEO 加藤公一レオです。

 

私は新卒で三菱商事に入社し、その後大手広告代理店ADKを経て、2010年に『売れるネット広告社』を創業した。サラリーマン時代から業界ではそこそこ有名だったので、起業したときは多くのメディアが取り上げてくれ、初日から引き合いが殺到した。

 

私が広告業界で成功できた理由のひとつが、ズバリ“プレゼン力”である!広告マンにとって、“プレゼン力”はクライアントに企画を提案し、採用してもらうための必須スキルだし、“プレゼン力”があれば講演など公の場に出るチャンスも増え、知名度もアップするからだ。

 

“プレゼン力”を武器にするため、私はこれまで戦略的に“プレゼン力”を磨いてきた。その結果、広告・マーケティング業界のオリンピック「アドテック」で“3年連続人気スピーカー1位”に輝いたこともある。ぶっちゃけ、経営者としてはまだまだだが、プレゼンターとしては業界トップクラスだと思っている!

 

そこで今回は、すべての広告マンが知っておくべき、“成功するプレゼン”の6つの秘訣をお伝えする。

 

【1】聴衆から見て必ず“右側”に立つ。

まず私がこだわっているのが、立ち位置である。どんなに小さなプレゼンであろうと、私がプレゼンをするときは聴衆から見て必ず“右側”に立つようにしている。

 

貸会議室などを借りる場合、会場によっては、演台がスクリーンの左側に設置されている場合があるが、それでも“右側”に変えてもらって“右側”に立つし、『売れるネット広告社』では、社内イベントでも何でも“プレゼンターは右側に立つ”がルールになっている!

 

なぜ聴衆から見て“右側”に立つことが大事かというと、プレゼンターに視線を集めるためである。

 

スクリーンの前にプレゼンターが立っている光景を想像してみてほしい。パワーポイントのスライドを使ってプレゼンをする場合、聴衆は左から右に文字を読んでいくので、“右側”に立つと、自然と「スライドを読むと視線の先にプレゼンターがいる」という構図ができあがる。

 

プレゼン中、スクリーンの前や会場内を動き回ることもあるが、基本の立ち位置を“右側”にして、聴衆の視線を集めることによって、聴衆をプレゼンターの世界に引き込みやすくなるのである!

 

 

【2】高く大きい声を出す

たまに、私のプレゼンを見た人に、「ジャパネット創業者の髙田明さんみたい」と言われることがある。それは、プレゼン中の私の声がとても“高い”からである!普段の私の声は特別高いわけではないが、プレゼン中は普段より2段階ほど高い声で話していると思う。

 

大勢の前でプレゼンをするとき、自分の声は自分が考えているほど相手に聞こえていないと思ったほうがいい。プレゼントというのは「伝わってナンボ」。話の内容がどんなに良くても、聴衆に伝わっていなければ何も言っていないのと同じである!

 

そこで、聴衆が聞き取りやすいように、また聴衆の注意を引くためにも「高い声」を出すのである!!「高い声」は、「低い声」よりもプレゼンターの熱量が伝わりやすいというメリットもある。

 

さらに、プレゼン中の私の声はかなりデカイ。普段の話し声も大きいと言われるが、セミナーや講演などではさらに大きい声で話すし、マイクの音量も大きめに設定する。

 

その甲斐もあって、今のプレゼンスタイルを確立してから、私のプレゼン中に聴衆が寝ているのを見たことがない。むしろ、寝たくても寝られないと思うw

 

プレゼンで話す際に意識するポイントは次の3つである。

 

①顔の中心から声が出ているイメージで話す
②一番遠くにいる聴衆よりもさらに遠くに声を届けるイメージで話す
③口角を上げ、上の歯がチラチラと見えるように話す

 

プレゼンでは、普段よりも“高く大きい”声で、普段よりもテンションを上げて話すようにしよう。それだけで聴衆の反応が変わってくるはずだ。
 

 

 

【3】ジェスチャーや動きを入れる

プレゼン中、私がずっと同じ場所に直立不動で立っていることは絶対にない。手を開いたり、回したり、上に上げたりと、プレゼン中はさまざまなジェスチャーをしているし、聴衆と目線を合わせるために顔を動かしたり、スクリーンの前や会場内を動き回ったりするからである。

 

スティーブ・ジョブズをはじめとして「プレゼンの達人」と呼ばれる人は、例外なくジェスチャーの使い方が上手い。「スティーブ・ジョブズ」と聞くと、新商品について語りながら腕を開くジェスチャーをしている様子を思い浮かべる人もいるのではないだろうか。

 

ジェスチャーを上手く使うことで、自分をより堂々と魅力的に見せることができるし、聴衆に話の内容を視覚的にイメージさせることもできる!また、ジェスチャーには、プレゼンにメリハリをつけ、聴衆を引きつける効果もある。

 

ところが、欧米人と違って、日本人には日頃からジェスチャーを付けて話す習慣がないので、プレゼンにジェスチャーを取り入れるのが下手だ。

 

「ジェスチャーが大事」とはいっても、とにかく大袈裟にしたり、同じジェスチャーばかりを繰り返したりすればいいというものではない。同じジェスチャーばかりを繰り返すと落ち着きがない印象を与えるし、見ていてウザいので、むしろ逆効果だ!

 

ジェスチャーのコツは、話の内容と動きを関連づけることである。例えば、マイナスの内容(数字が悪かった、悩んでいたことなど)を話すときは、彼は手を「上」から「下」に動かし、逆に、プラスの内容(数字が改善した等)を話すときには手を「下」から「上」へ動かすなど、話す内容に応じて臨機応変にジェスチャーの内容をアレンジするようにしよう。そうすることで、聴衆を自分の話により強く引きつけることができる!

 

 

 

【4】聴衆に参加させる

ズバリ、日本人の聴衆の9割以上は“受け身”である。セミナーであれば、せっかく前の席が空いていてもなぜか後ろに座りたがるし、上司に無理やり出席させられたのか知らないが、セミナー受講中に寝てしまう人も多い(私のセミナーで寝る人はいないがw)。

 

したがって、プレゼンターには“受け身”の聴衆をプレゼンに“参加”させるための工夫が求められる!

 

そのための工夫として効果的なのが、聴衆全員と「目を合わせること」である。たまに聴衆とろくに目を合わせようとしないプレゼンターがいるが、プレゼンターと目が合わないと、プレゼンターと聴衆のあいだに壁が生まれ“他人事”になってしまう。反対に、目を合わせることで聴衆は無意識に「この人は“自分”に対して話している」と感じ、“自分事”の意思が生まれるのである!

 

また、プレゼン中に参加者に問いかけるのも非常に有効だ。とはいっても消極的な日本人相手では「どなたか意見はありますか?」という質問は場が白けるだけで無意味である…。

 

私が聴衆に質問をする際は、「そこの赤い服を着た女性」などと強引に指名してしまうし、会場内を歩き回って「あなたはどうですか?」と聴衆にマイクを向けることもある。初対面の人が集まるセミナー等では、冒頭で聴衆に隣の席の人と自己紹介させ合うのもテクニックのひとつだ。

 

こうして聴衆に“参加”させることによって、全員でその場を創り上げているかのようなポジティブな雰囲気が生まれ、場の空気が温まって聴衆の反応も圧倒的に良くなる!次のプレゼンでは、ぜひ聴衆に何らかのアクションをさせ、“参加”させることを意識してみてしい。

 

 

【5】聴衆の顔ぶれや反応によって話の内容を調整する

私はこれまで、サラリーマン時代も、経営者になってからも数えきれないほどのプレゼンをしてきた。それこそ、『売れるネット広告社』の“最強の売れるノウハウ®”を紹介する単品通販(D2C)会社向けのセミナーや、学生向けの新卒採用説明会ならそれだけで何百回もやっている。

 

だから、頭で考えるまでもなく身体でプレゼンの内容を覚えてしまっていることも多いが、それでも最初から最後までまったく同じプレゼンをしたことは一度もない!

 

冒頭では、会場の雰囲気や「こんにちは~!」の挨拶に対する返事のボリュームを見て、その後の話し方や流れを微妙に変えるし、セミナーや講演等をする場所によっても話の内容を変える。例えば、福岡で新卒採用説明会をするときは、「福岡で有名な大学に通っていても、東京に行った途端九大以外はほぼ無名」といった、九州の学生が興味を持つような話をするのだ。

 

また、セミナー当日の聴衆の顔ぶれ(性別や年齢層など)を見て、表現を微妙に調整することもある。テーマが同じであれば、プレゼンの流れや基本的な話の内容は同じであっても、例え話や聴衆への問いかけなど、細部に変化を持たせるのである。

 

プレゼンは生ものであり、聴衆が変わればプレゼンも変わる。同じテーマのプレゼンでもまったく同じプレゼンは2度とない!それを理解した上で、2~3時間よどみなく話し続けるだけでなく、細部の調整も怠らないのが“プレゼンのプロ”なのだ!

 

 

【6】徹底的にイメトレする

私のプレゼンを見た人は、私がほとんど何も見ずに2時間も3時間も話し続けることに驚くらしい。何百回もやっている単品通販(D2C)会社向けのセミナーはともかく、社内イベントなどで初めて話すテーマでもよどみなく話し続けるので、何かが乗り移ったかのように見えるそうだ。

 

なぜ、2時間も3時間もかかるプレゼンで話す内容を覚えていられるのか?それは、私の記憶力がめちゃめちゃ良いからではもちろんなく、事前に徹底したイメトレをしているからである!!

 

私はいつも、プレゼンの前は必ずイメトレの時間を確保するようにしている。どんなに忙しくても、セミナーやイベントへの登壇が決まった段階で、イメトレの時間もあらかじめ確保してしまうのだ!

 

イメトレでは、声を出し、ジェスチャーなどの動きを付けながら本番さながらに練習する。初めて人前で話す内容の場合は、さらに時間をかけて念入りにイメトレを行う。

 

私が当日の参加者の聴衆の顔ぶれやリアクションによって、表現や話の流れを微妙に調整できるのも、徹底したイメトレをしているからである。事前のイメトレによってプレゼンの流れや内容が完璧に頭に入っているからこそ、プレゼン本番に心の余裕が生まれ、臨機応変な微調整やアドリブが可能になるのだ!

 

 

プレゼンの上手い下手は“訓練”と“経験”

結局、プレゼンの上手い下手というのは、もともとの才能というよりは“訓練”と“経験”なのである!私は外国人のような名前だし、ブラジル生まれアメリカ育ちの帰国子女だからプレゼンが上手いのではないかと思われるかもしれないが、昔からプレゼンが上手かったわけではない。

 

それを証明するために、この動画を見てみてほしい。

 

これは、十数年前の私のプレゼンと、今の私のプレゼンを比較した動画だ。

 

 

 

表情も、声のトーンも大きさも、話し方も、身振り手振りもすべてが違う!同一人物のプレゼンだというのが信じられないほどの違いである!!去年社内イベントでこの動画を見せたら、社員たちに爆笑されたくらいだ。

 

こんなにプレゼンが下手な人間であっても、“訓練”と“経験”によって、ここまで“プレゼン力”を上げることができるのである!

 

私の「ビフォーアフター」を見て希望が湧いたら、あなたも明日から“プレゼンの達人”を目指して“訓練”と“経験”を積んでいってほしい。

 

※「最強の売れるノウハウ」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第5927186号

 

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