“加藤公一レオ”の「広告業界的ぶっちゃけ話」

通販王国と言われる九州で、一貫してダイレクトマーケティング型ネット広告に従事し、ネット広告の第一人者と言われる株式会社売れるネット広告社の加藤公一レオ氏の広告業界的“辛口コラム”

加藤公一レオ

第19回:【広告業界志望の学生へ】ネット広告ベンチャー社長が教える、内定率を上げる“就活の勝利学”

 

 

こんにちは。売れるネット広告社 代表取締役社長 CEO 加藤公一レオです。

私は現在、『売れるネット広告社』というネット通販(D2C)の広告を支援するベンチャー企業を経営している。自分で言うのもナンだが、「ネット広告業界のカリスマ」とも呼ばれる業界の有名人である。

ブラジルで生まれアメリカで育った私は、高校卒業後、単身日本に渡り福岡の大学に入学した。その後、当時就職人気ランキング1位だった三菱商事に入社。大手広告代理店のADKを経て、2010年に『売れるネット広告社』を起業した。

ぶっちゃけ学生時代は遊んでばっかりだったし、地方の私大に通っていたため学歴面でも不利だったが、就活に“全力”で取り組んだおかげで、三菱商事をはじめ、日本のトップ企業の数々から内定を得ることができた。

就活というのは、 “超勝ち組”と“超負け組”に容赦なく結果が分かれるイベントだ。コロナ禍という最悪のタイミングでの就活ならなおさらそうだろう。

だからといって悲観しすぎることはない。“あること”を実践することで、就活の内定率を上げることができるからだ。地方の私大出身なのに就活では“超勝ち組”になれた私自身の経験も踏まえ、広告業界志望の学生に向けて、内定率を確実に上げる“就活の勝利学”を伝授したい。

 

■大事なのは『イケてる業界』を選ぶこと

 

『売れるネット広告社』の会社説明会では、毎回社長である私自らが登壇し、広告業界や会社について、学生たちに直接メッセージを投げかけている。会社説明会の冒頭で必ずしているのが、「就活において大事なことは何だと思いますか?」という質問だ。

学生からは、「熱意」「粘り強さ」など、色々な答えが返ってくる。もちろんどれも間違いではないのだが、会社員としてある程度経済的に豊かな生活を送りたいのであれば、ズバリ『イケてる業界』を選ぶことが大切だ!!

残念ながら、日本は「落ち目」の国である。さまざまな業界の先行きを予測した「業界天気図」を見ると、ほとんどの業界が雨マークまたは曇りマークである。しかもコロナ禍で今後さらに不況が加速するので、日本経済はますます深刻な状況に陥るだろう。

あなたも昨今の状況を見て、自分の就活に危機感を抱いているかもしれない。

近年の就職戦線は、学生に有利な「売り手市場」がしばらく続いていた。リーマンショックの影響が最も大きく出た2010年以降、大卒者の就職率は年々上昇し、特に2015年から2020年までは7割超という高い水準で推移していたのである。

ところが、突然のコロナ禍で就職戦線は激変。リクルートワークスが行った調査では、7.7%の企業が22卒を対象とした新卒採用予定数を「増やす」、11.6%の企業が「減らす」と回答しており、新卒採用数の増加が11年ぶりにストップした。しかもこれは2020年10月11月にかけて行われた調査の結果なので、コロナ禍が長引いていることで現実はさらに悪化する可能性もある。

日本経済がどんどん先細っていくなか、「落ち目の業界」に入ってしまったら、どんなに能力があっても、どんなに努力しても、年収もポストも大きく上がることはない。それどころか、会社が倒産してしまって路頭に迷う可能性すらある…。学生のあなたには、「自分探し」などというキレイゴトの前に、まずはその厳しい現実を認識してほしい。

ならば、『イケてる業界』とはどこなのか?

『イケてる業界』は時代によって変わる。あなたの祖父母の時代は、鉄鋼や燃料などが『イケてる業界』で、そこに入れば一生安泰という時代だった。あなたの両親の時代は、家電メーカーなどが『イケてる業界』だった。今、鉄鋼業界や家電業界に入って、“大成長”する未来はあるだろうか?

確率論から言ってしまえば、最盛期を過ぎたこれらの業界に入っても、「会社がどんどん大きくなり、それに応じて自分の年収やポジションもどんどん上がっていく」という“大成長”する未来が待っている可能性は低い。

一方で、『売れるネット広告社』の事業領域である「ネット通販(D2C)」×「ネット広告」は、今まさに成長を続けている分野である。ネット通販(D2C)は1990年代からずっと右肩上がりで成長を続けているし、ネット広告費は2019年にテレビ広告費を上回り、国内でナンバーワンの広告媒体になった。

 

 

「ネット通販(D2C)」や「ネット広告」のように、右肩上がりで成長を続けていて、今後も大きく伸びる見込みがある『イケてる業界』に入れば、「会社がどんどん大きくなって、それに応じて自分の年収やポジションもどんどん上がっていく」という“大成長” するドラマが現実になる可能性が当たり前にある。

能力や努力量が同じでも、「落ち目の業界」に入るのと『イケてる業界』に入るのとでは、最初から成功する確率に圧倒的な差があるのだ。「落ち目の業界」に入ることは“負け戦”に出るようなものである。そこそこ経済的に豊かな会社員生活を送りたいのであれば、戦う土俵を間違ってはいけない!!

一例として挙げたが、これから伸びる業界は、「ネット通販(D2C)」と「ネット広告」だけとは限らない。就活では、自分がやりたいことを見つけるのも大事だが、キレイゴトなしに『イケてる業界』を見つけるのも超大事なのだ!!

 

■就活とは「自分自身を企業に売り込むマーケティング活動」

 

『イケてる業界』を見つけたら、そこに入るにはどうすればいいのだろうか。

『イケてる業界』というのは今後も伸びる業界なので、当然就活における競争率も高い。したがって、なんとなく志望動機や自己PRを考えて、なんとなく面接を受けていては厳しい競争を勝ち抜くことはできない!

つまりは、『イケてる業界』や『イケてる企業』を狙うなら、就活を正しく理解し、戦略的にプランニングすることが重要になってくる。

ズバリ言ってしまうと、就活というのは「自分自身を企業に売り込むマーケティング活動」である!!

就活の話になると、よく「自分探し」などというキレイゴトが語られるが、就職(=学生から見れば「企業に雇われる」、企業から見れば「人を雇う」)というのは、そんなに甘くもなければとロマンチックなものでもない。それは、「人を雇う」ことが企業にとっては大きな投資と失敗するリスクを伴うものだからだ。

会社員の生涯年収は“2~3億円”と言われる。誤解を恐れずに言えば、企業にとってあなたは「2~3億円の商品」なのである。自分という高額商品を企業に売り込む以上、熱意をアピールするだけでは不十分で、“自分がその企業にどんな価値を提供できるのか”という視点が不可欠だ。

優秀な営業マンというのは、「その商品にどんな機能や効能があって、それを使った結果、お客様にどのようなメリットがあるのか」ということを効果的に伝えられる営業マンである。反対に、「とにかくこの商品を買ってください」とお願いするだけの営業マンはダメな営業マンだ。いくら良い商品でも、お客様はその商品を購入するメリットがわからなければ、買ってはくれない。

同じ商品を売っていても、“売れる営業マン”と“売れない営業マン”がいるのはなぜだろうか。繰り返しになるが、「商品はまったく同じ」である。

答えは、ズバリ「伝え方」にある! “売れる営業マン”は伝え方が上手く、他の商品と“差別化”できているから売れるのだ。

就活(=自分自身を企業に売り込むマーケティング活動)もそれと同じで、大事なのは「伝え方」なのである!!

にもかかわらず、日本の就活生は、みんな同じような服装をして、みんな同じようなことを面接で言う。日本の学生のほとんどは“金太郎飴”状態で、他の学生との“差別化”ができていないため、「その他大勢」に埋もれてしまうのである。

学校では、「あなたはあなたらしく」と教えられたかもしれないが「オンリーワンでいい」なんていうのは単なるキレイゴトだ!特殊技能があれば別だが、どんな会社であっても喋りが下手な人よりは喋りが上手い人のほうが歓迎されるし、暗くてネガティブな人よりは明るくてポジティブな人のほうが歓迎される。それが社会の現実である。

だから就活では、自分自身を売り込むため、 “差別化”を念頭に「What to Say(何を伝えるか?)」「How to Say(どのように伝えるか?)」を戦略的にプランニングし、徹底的に「伝え方」を磨こう!

 

■広告業界志望の学生が言ってはいけないこと

 

エントリーシートや面接で聞かれる項目のなかでも、特に大事なのが「自己PR」と「志望動機」の2つだ。就活で成功を収めるためには、この2つを攻略することが重要である!

ところが、広告業界を志望する就活生の9割以上は同じような志望動機をエントリーシートに書き、同じような志望動機を面接で言うので、広告業界の人事や面接官はいい加減うんざりしている。

「クリエイティブな仕事がしたいんです」「広告で世界を元気にしたいんです」…うんぬん、広告業界を志望する学生の9割以上が、「広告=クリエイティブな仕事」「広告業界=スケールの大きな仕事ができる華やかな業界」であることを前提とした漠然とした志望動機を口にするのだ。

もちろん、広告の仕事にはクリエイティブな要素があるのは事実だし、他の業界に比べればスケールの大きな仕事をする機会が多いのも事実である。

ところが、こういった志望動機を口にする学生の9割以上は、広告の本質を理解していない。広告の本質とは、ズバリ “クライアントの商品を売る”ことである。広告はアートでもなければエンタメでもない。「クライアントの商品を売ってナンボ」なのである!!

多くの広告会社の新卒採用サイトを見ると、いかに華やかでクリエイティブな仕事かをアピールしているが、実際に広告業界に入ると超泥臭い仕事ばかりが待っている。なぜかと言うと、広告業とは“販売業”だからである!

広告業界を志望するあなたには、広告業の本質を理解したうえで就活に臨んでほしい。

“販売業”という広告業の本質を理解していれば、志望動機もおのずと変わってくるだろう。「クリエイティブな仕事がしたいんです」「広告で世界を元気にしたいんです」…などなど、お決まりのセリフを口にする学生ばかりのなかで、“広告業=販売業”という本質を踏まえた志望動機は人事や面接官の興味を引くはずだ。

 

■「自己PR」と「志望動機」を磨くには「OB訪問」

 

就活において、「What to Say(何を伝えるか?)」「How to Say(どのように伝えるか?)」で“差別化”することが重要であることはすでに述べた。

「What to Say(何を伝えるか?)」「How to Say(どのように伝えるか?)」をプランニングし、“最強”の「自己PR」と「志望動機」を完成させるために有効なのが、ズバリ「OB訪問」である!

私は新卒で三菱商事に入社したが、それ以外にも三井物産・丸紅・富士通・JTB・キーエンス・ADKなど、日本トップクラスの大手企業から内定をもらうことができた。アホだったので筆記試験で落ちたことはあるが、面接では落ちたことがない(笑)

何が言いたいかというと、東京ではほとんど知られていない地方の私大出身の私が、日本のトップ企業の数々から内定を得ることができた理由は、徹底的に「OB訪問」をやったからだ。

就活生時代、福岡から何度も上京して、56人のOBに会いに行った。「OB訪問」で私がやっていたのが、「自己PR」と「志望動機」のプレゼンである。

ネット広告業界には、複数の広告クリエイティブを同じ条件で露出し、最も効果の高い広告クリエイティブを選定する【A/Bテスト】という手法がある。当時の私は、【A/Bテスト】という概念は知らなかったが、知らず知らずのうちに「OB訪問」で【A/Bテスト】を行っていたのである。

まずは複数のパターンの「自己PR」「志望動機」を作って、先輩AにはAパターンの「自己PR」「志望動機」をぶつけ、先輩BにはBパターンの「自己PR」「志望動機」をぶつけ、先輩CにCパターンの「自己PR」「志望動機」をぶつける…ということを繰り返していく。その結果、反応が悪かったものを捨てて、反応が良かった「自己PR」「志望動機」だけを残し、新しいパターンの「自己PR」「志望動機」を追加して、さらに次のOBにぶつけていくのだ。

最初に訪問した商社勤務のOBには、「お前、うちの会社100%落ちるよ!自己PRも志望動機も全然ダメだし、何よりもプレゼンがヘタすぎ!」とダメ出しされたことを今もはっきりと覚えている。

自分でも、OB訪問を始めた当初はゴミみたいな「自己PR」「志望動機」だったと思う。ところがOB訪問を繰り返すうちにどんどん「自己PR」「志望動機」が磨かれていき、40人を超えたころにはどんな大手商社でも受かるような“最強”の「自己PR」「志望動機」が完成していたのである!

■OB訪問=面接のトレーニング

 

しかも、OB訪問には「自己PR」「志望動機」が磨かれる以上に100倍良いことがある。それは、社会人と話し慣れることによってプレゼンの練習、つまりは面接のトレーニングになることだ。

打ちっぱなしの練習をせずにいきなりゴルフコースに出る人はいないが、なぜか就活では、ほとんどの学生がまともな練習もせずにいきなり本番の面接を迎えるため、緊張してつまらない話しかできない。ほとんどの学生は社会人と話し慣れていないし、日本の学生はインプット教育ばかり受けているから、プレゼンの訓練ができていない。「OB訪問」は社会人と話し慣れ、プレゼン力を上げるための最高の機会なのである!!

三菱商事の最終面接では、他の学生は東大・早稲田・慶応という顔ぶれで、地方の私大の学生は私だけだった。他の学生はみんな私より頭は良かったと思うが、見るからに社会人と話し慣れておらず、緊張しておどおどしていた。しかし、56人の社会人を相手にプレゼンの練習をしてきた私は、「私のビジョンについて語らせてください!」と堂々と話すことができた。その成果が、面接を受けた会社すべてからの内定という結果である。

今はネットでさまざまな情報にアクセスできるし、説明会や面接も含め、就活もオンライン化している。「OB訪問」という文化も廃れているかもしれない。

だからこそあえて言いたい。

世の中の学生が社会人とリアルで会う機会をどんどんなくしているからこそ、ガンガン「OB訪問」をやれば、他の学生と圧倒的な差をつけることができる!!こんな時代だからこそ、リアルで人に会いまくろう!!

 

■就活の勝利学は「世の中の99%の人と違うことをすること」

 

 

最後に、就活の究極の“裏技”を教えよう。それは、勝手に自分を売り込むことだ。日本には約170万社の法人企業があるが、そのうち新卒を募集している会社は一握りである。

世の中の学生は新卒を募集している会社だけに応募するから、競争率が高くてなかなか内定が獲れないのだ。本気で広告業界に行きたいなら、あらゆる広告会社の社長宛に熱い手紙とともに履歴書を送ればいい!

履歴書を送られた社長は、「この学生、募集もしてないのに履歴書送ってきやがって。生意気だな~」と思うだろうか。いや、むしろ「いまどき草食の学生が多いのに、行動力のある若者だな。よし、一度会ってみよう!」と思うはずである。

たまたま若手がほしい会社に当たれば、競争率ゼロで一発内定だ。非常識な結果を得るには、非常識に動け!

結局、就活だけに限らず、人生の成功法則は「世の中の99%の人と違うことをすること」である。私は、通販(D2C)事業者向けのセミナーもやっているので、大勢の人に向けて話す機会があるが、セミナーで聞いた内容を行動に移す人はたった1割だ。セミナー終了後のアンケートでは「勉強になった」「すぐに実行したい」と書くのに、結局9割の人は行動に移さないのである。

所詮、日本人の行動率はわずか1割。ほとんどの人が頭ではわかっていても行動しない国だからこそ、圧倒的に行動すれば即座にトップに駆け上がることができる!!

この瞬間から、「みんながしないから自分もやらない」ではなく、「みんながしないから自分はやる」に、180度思考をシフトしよう。ほとんどの人が行動しない国にいるということは、ライバルが少ないということなので、あなたはある意味ラッキーだ!

私は頭も学歴も良くないが、行動だけは人一倍してきたという自負がある。徹底して行動さえすれば人生は楽勝だし、本気で念じて行動すれば夢や目標は叶う。学生のあなたには、ガンガン行動して、ガンガン人と会って、大きな未来を掴んでほしいと思う。

あなたの就活の成功と今後の活躍を心から祈っている。

 

売れるネット広告社採用サイト
https://www.ureru.co.jp/recruit/

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