“加藤公一レオ”の「広告業界的ぶっちゃけ話」

通販王国と言われる九州で、一貫してダイレクトマーケティング型ネット広告に従事し、ネット広告の第一人者と言われる株式会社売れるネット広告社の加藤公一レオ氏の広告業界的“辛口コラム”

加藤公一レオ

【特別企画】緊急座談会!広告マンに紙幣側から物申す!? ダイレクトマーケティングの極意 売れるネット広告社×歴史的偉人


ここ数年、多くの企業がバズワードに煽られ、時代に乗り遅れない為にとハードやソフトに投資したり、ビックデータの分析に取り組んでいます。

目新しさを強調した横文字の言い回し、テクノロジーや理論、それが人間の本質を変えていくのでしょうか?

今回は、流行りに囚われない「ダイレクトマーケティングの極意」を教えてもらうべく、人生経験豊かな4名の歴史的偉人にざっくばらんに語っていただきました。


(写真左から樋口一葉氏、紫式部氏、福沢諭吉氏、野口英世氏)

■座談会メンバー

本日はよろしくお願いします。

諭吉:
よろしくです!
式部も樋口ちゃんも、財布の中では良くお向かいになるけど、リアルに会うのは久々なんだよね。美女2人に囲まれて嬉しいですw

英世:
諭吉さん、僕もカウントしてくださいw
でも式部とかリアルに超久しぶり!最近忙しくしてるの?

式部:
ご無沙汰ですー!いえ、全然暇人です。
というのも私、2000年の沖縄サミット開催の時に記念かノリかで作られた2000円札に、約16年程出向させていただいているんですが、今、自分が一体どこでシェアされてるのかわかんなくって。8億8千万枚も刷られたはずなのに、今や存在意義が危ういってゆー。

英世:
まー、当時から、2000円札って必要っけ!?的なざわつきはあったよね。

式部:
ホントそれ。そんな私をあはれに思って、琉球銀行の1,000名以上の方が「二千円大使」になってくださって。給料日には、わざわざ諭吉さんを二千円札に両替してくれたりしてるのね。おかげで沖縄では大流通!なんか、やっぱり行動って大事だなって、私も紙幣の右下で御簾から覗いてるだけじゃダメだなって最近思って、今日来てみました。

一葉:
式部、相変わらずの口達者。笑
世界最古のストーリーテラー、さすがです。諭吉さんも相変わらずだけど、顔ちょっと焼けた?印刷的に顔色くすんで見えるから、死期迫ってるみたいに見えるけど、大丈夫?

諭吉:
樋口ちゃん、ここだけの話、実は俺、もう永眠経験済みなのねw
だから強気で生きてってる。明治時代はちょっと固めの思想家だったけど、平成はちょっとハシャいだ「バブリーのすゝめ」的なバイブルを書こうって決めてる。

改めて、よろしくお願いします。

一同:
よろしくお願いします。

まず「ダイレクトマーケティング」の極意を伺う前に、最近のネット広告マンのお金の意識について、諭吉さんがご立腹だと伺いましたが・・・。

諭吉:
そう!そもそも一流の広告マンに一番必要なのは「広告主のお金(広告費)を、まるで自分のお金のように考えられる」能力なのに、最近のネット広告マンの薄っぺらさには、ホントに腹たつわー!

ネットだからすぐに修正できるしーなんて甘い気持ちが引き起こす“誤字脱字”だらけのグダグダサイトや、システムや効果測定のミスなんてする位なら、さっさと辞めてしまえと常々思ってます。「革新的なテクノロジー」だ「ビックデータ」だのキレイゴトを語る前にまずは「人から預かるお金」の意識を徹底的に叩きなおして欲しい。

一葉:
我が樋口家なんか「昨日より家のうちに金といふもの一銭もなし」って著書に書いた位、ド貧乏だったからお金には超シビアだったけど、なんだろうね、他人のお金となると急に現実味がなくなっちゃうのかな。

諭吉:
ネット広告全体的に昔から、費用対効果を曖昧にする文化があるんだけど、そもそもこうゆうアマチュア広告マンって、“広告は商品を売ってなんぼ”ってゆう、超基本の事実が認められないのよね。彼らにとって広告はカルチャーであり、コミュニケーションであり、アートであり、エンターテインメント。販売業とは思ってないし、多分認めたくない。

「広告は売る為にある」っていう概念があまりないんですね。

諭吉:
そう、そして広告には「売れる広告」と「売れない広告」と2種類あってね。そしてその「売れない広告」の最たるものが・・・

式部:
“賞狙い”の広告でしょ!

諭吉:
そう、“広告賞”では商品を多く売った広告が表彰されることは絶対にない。面白い広告・好かれる広告が表彰されるから“賞狙い”の売れない広告が量産される。ダイレクトマーケティングでは“広告は商品を売ってなんぼ”なのに、それを認めず、自分の趣味なんだか無能なんだかよくわからないクリエイティブに広告主のお金を投資させるネット広告マンに、また腹がたつのよ。

英世:
おそらく広告代理店のクリエイティブディレクターあたりが「今の視聴者は面白くないものには興味を持たないので、“ギャグ要素”を入れる事で親近感とユニークな商品であることが伝えられますよ~」とかいってるんだろうけどね。

一葉:
でも広告主は「でもプロの言うことだから、まあ、間違いかな」ってのっちゃうよね。

諭吉:
そう。ぶっちゃけさ、その広告主のみなさんより、担当してる広告マンの方がお給料が高かったりするわけよ。ある意味広告マンは、広告という何百億円の投資のために、数10万円、数100万円とその広告主の社員から奪ってる。本当は給与とか賞与として全員に渡せるのに。こういう背景も想像して、どんな気持ちで広告を投下しているのかを一秒でも考えたら、“賞狙い”の悪ふざけた提案はできないはずなんだけどね。

英世:
広告賞をいっぱい取っても、最終的に“商品が売れて、クライアントの売上があがる”という「結果」が出ないような広告クリエイティブは、ゴミだよね。
僕がやってた疫病研究も一緒。みなさんがお金を投資してくれて疫病の研究をして、沢山賞とりました。「で、治るの?」っていう話。投資した側は「疫病の認知が広まったんでよかったですー」とは言わないよね。「で?」の先の結果に投資してるんだから。

次にダイレクトマーケティングのお話をお伺いしたいんですが、まず目の前のCPAより「年間購入単価(LTV)」を大事にするという訳とは?

一葉:
一言で言うと、目の前の諭吉さんに会いたくて失いたくなくて震えてないで、1年後のあなたの傍に諭吉さんが何人いますか?っていう話なんだけど。

式部:
なんかの歌詞みたいな事言うね笑

一葉:
ダイレクトマーケティングって販売して終わりじゃなくて、その後のリピートとかクロスセル(関連商品の購入を促すこと)で利益を出すビジネスモデルじゃない?
【マスマーケティング】だと広告接触1000人×購入率10%×購入単価1000円で「売上10万円」、【ダイレクトマーケティング】だと広告接触1000人×購入率1%×購入単価1000円×リピート年12回で「売上12万円」って感じで。

式部:
リピートが肝心。

一葉:
そう、顧客とのリレーションシップを徹底的に形成するところまでいって、初めて目的(売上)達成っていうモデルだから、「ネット広告」の費用対効果はリピートまで含めた「年間購入単価(LTV)」で見ないといけないと思うの。

諭吉:
企業の決算が一年であるように、ネット広告の決算も「年単位」にすると、より正確に効果を把握できるしね。かつ、目の前のCPA/CPOだけを見ていたら、ちっちゃな釣り堀レベルの世界でちまちま広告を打つ事しかできないけど、「年間購入単価(LTV)」の指標でみると、ドンと思い切った施策ができる。

一葉:
そう、大事なのは年間でみた時のビフォーアフター。だからこそ「年間購入単価(LTV)」や「年間ROAS(Return on Advertising Spend)」の指標を重要視してほしいって思ってる。

英世:
ちなみに優秀な広告マンはさ、“まずクライアントのLTV等から採算性を逆算して、後日広告を提案”するけど、バカな広告マンは、“まずは広告を提案して、後日「採算が合わない!」ってクライアントから詰められる”よね。笑

式部:
それなら、ほとんどのネット広告マンが毎日ギュン詰めされてるんじゃない?笑

一葉:
ギュン詰め?

式部:
ギュンギュンに詰められるって事。詰められた後はもれなく気持ちが「ギュン萎え」しますw

“成功するひと”と“失敗するひと”との決定的な違いとは?

諭吉:
私の著書「学問のすゝめ」で説いている中に「独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼する者は必ず人を恐る、人を恐るる者は必ず人にへつらうものなり。」という言葉があってね。

依存心が強い人は必ず誰かに責任転嫁する、責任を逃れ続けている人はいざ、なにかあった時には、その相手に気兼ねしてしまう。そして、その気兼ねすることが常態化すると卑屈になり媚び諂ってしまうっていう事なんだけど、広告主から下に見られる事が普通になっている人は超残念だよね。

一葉:
確かに、一流のネット広告マンは絶対に責任転嫁しないし、まるで優秀なファンドマネジャーのように「私が無理だというのならよそにいっても150%無理ですよ」といえる位、対等な関係を持っているもんね。

諭吉:
そういう人は「投資してもらったお金を運用してお返しする」という意識だし、絶対に「予算を消化する」なんて認識で動いてない。

式部:
対等な関係を築く為に必要なのは「圧倒的な実力」そしてそれを裏付ける「ネームバリュー」があるとベター。出来ることなら個人名義の著作やブログなんかも出した方がいいって思う。

私が生きていた平安時代は、ネットはもちろんテレビもゲームもない時代。貝合わせだのすごろくだのしか娯楽のない時代に書いていた、誰もが夢見る宮廷恋愛ロマン小説「源氏物語」は宮中の心を鷲掴み!私の評価を唯一無二にしただけでなく、お使えしていた彰子様は帝の心を掴む事ができた。それはもう、ギュン掴みです。笑

一葉:
例えば、私だったら“たけくらべ”、英世さんだったら“黄熱病”とか、名前と得意分野がリンクされるようになったら強いよね。

英世:
そう、つきつめると「この分野においては完全なパイオニアだ」という圧倒的な自信を持っているか、持ってないかが決定的な違いなんじゃないかな。

ネット広告の結果を出すために、何を重視すべきだと思いますか?

英世:
最適化サイクルかな。かつ普通は「PLAN→DO→CHECK→ACTIONS」とサイクルをまわしていくけど、僕はダイレクトマーケティングにおいてはズバリ、
「PLAN→DO→CHECK→REPLAN」が“最適化サイクル”だと思う。

式部:
最後のREPLANって何?

英世:
改善って意味。ネットの広告効果って、1回試してハイ終了ではなくて、クリエイティブやメディアの効果を徹底的に詳細に把握して、次の施策にロジカルに反映させて、広告活動を“最適化”させてこそ、劇的に上がると思う。

諭吉:
なるほど。広告展開をするたびに、クリエイティブは【A/Bテスト】、メディアは小規模にて複数の媒体社に出稿してみると。で、効果測定のよいものを残し、悪いものを除いていくって事だね。

英世:そうそう。というのも、僕は昔、黄熱病や梅毒の研究をしていてね、それこそ【A/Bテスト】の先駆けって位、徹底的な実験をする超実践派だった。気の遠くなるような実験パターンをすべて実行してデータ収集を行った後は、実験結果から次の実験のREPLANを重ねる。良い要素を残したり、悪い要素を除いたり、実験を少しずつ最適化させる事で真理に近づく、そういう経験をしたからこそ、そう思う。

ちなみに1日3時間しか寝なかったから、アメリカでは「2日に1回しか寝ない日本の実験マシーン」なんて言われてたらしいけど。笑

こういう風に世の中のあらゆる業界がマイナーチェンジで進化しているのに、なんだかマーケティング業界だけは“フルモデルチェンジ=すばらしいこと”とされ、みんなが新しさだけを追求している。それは本質から目眩ましをさせられているだけなんじゃないかなって思う。

一葉:
一番大事な事は、つまりは、どんなにテクノロジーが進化しても“人間”が商品や消費者をしっかりと見極め、売るための企画を徹底的に「考え/実践/検証」して最適化するって事よね。

これからのネット広告マンへ一言アドバイスをお願いします。

一葉:
「広告は心を動かすアートだ」って言ってる広告マンは「広告は売ってなんぼ」っていう事実はなかかなか認められないかもしれないけど、結果的に売上につながるってことは、「行動」を動かすこと。で、「行動」を動かすってことは「心」が動いてるって事。そういう風に考えると、もっと売れるネット広告マンになっていけると思う。

英世:
デジタルな仕事だからこそ、テクノロジーよりもアナログな「ダイレクトマーケティング」をより徹底的に研究するべきだね。

たかが10年ちょっとのネットに比べて、ダイレクトマーケティングには100年の歴史があり、先人の貴重な知恵がある。物事の本質はそうそう変わらない。そう、僕の前髪みたいにね!笑

式部:
ちょっとw 秀ちゃんの前髪は不変すぎるからw
私からはそうだなー想像力を豊かに持つべしって事かな!その広告主の背景や気持ちに寄り添って、物語を紡ぐように、人間心理・感情の原理原則を考え抜いたプランニングをする事が大事だと思う。 普遍的な「人間心理の基本」に立ち返ったマーケィングこそが、デジタル時代を勝ち抜くうえでの重要なカギかなって思う!

諭吉:
私は著書「学問のすゝめ」で説いている「信の世界に偽詐多く、疑の世界に真理多し」という言葉を授けたい。

要するに人々が当たり前のように信じていることには、よくよく考えてみると嘘や詐欺まがいのことが多く、真理というのは疑うということの中にしか存在しない、という事なんだけど、ネット広告マンも目の前のトレンドをそういうものだから、と受け入れるだけでなく、疑い、「why?」と問い続ける事が大事だと思う。

 

 

本日は有難うございました!

 

売れるネット広告社のノウハウは、先人の知恵にもとづいています。

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