“加藤公一レオ”の「広告業界的ぶっちゃけ話」

通販王国と言われる九州で、一貫してダイレクトマーケティング型ネット広告に従事し、ネット広告の第一人者と言われる株式会社売れるネット広告社の加藤公一レオ氏の広告業界的“辛口コラム”

加藤公一レオ

第1回:最強の売れる広告マンになるための『50の小言』

 「一般の広告マン」から脱して「売れる広告マン」になるには?

私は大学卒業後、三菱商事株式会社に入社して、商社マンとして社会人をスタートして、「もっと華やかな仕事がしたい」というミーハーで不純な動機で25歳の時に広告業界(広告代理店)に入った。最初の配属は営業局だった。

 

そこから、20代は死ぬほど働いた。毎晩朝の3~4時ぐらいまで働いて、タクシーで家に帰り、また朝出社する生活の連続だった。
まだ未熟者の若手だったので、 “王道の広告マン(営業)”をやっていた。

 上司からは「売上を上げろ!」と言われいつも怒鳴られ、
 スタッフからは「仕切りが悪いよ営業さん!」といつもいじめられ、
 クライアントからは「ADKさんコンペで提案して!」と業者扱いされた。

 

精神的にキツかったし、自分の売上は上がらなかったし、クライアントの売上も上がらなかった。
いわゆるそこらへんにいる「一般の広告マン」と何も変わらなかった。

 

それまでの私は、上司や先輩がやっている仕事をマネして、プラス思考で一生懸命努力していれば、いつかは成功して「売れる広告マン」になれると思っていた。

 

ただし、それは大きな間違いだった。

 

上司や先輩などを含む世の中の90%の広告マンと同じことをやっていても、絶対に「売れる広告マン」になれないことに気付いたのだ。

 

そこで私は30歳以降に仕事のやり方を180度変えた。極端にいうと、世の中の90%の広告マンとはなるべく真逆のことをやったのだ。

 

自分で言うのも何だが、私の30歳以降の10年間のキャリアは最高に絶好調である。

超売れっ子である♪w

前職の『アサツーディ・ケイ(ADK)』時代は、九州のネット広告市場の50%以上を独占して圧倒的な売上を上げ、ADK全社のネット広告の売上の1/4を稼ぎ、ADKで史上最年少のグループ長になれた。

 

そして7年前に『売れるネット広告社』を設立してからは、60社を超える引き合いが殺到し、たった5人の極小企業なのに面白いぐらいに日本の大手ナショナルクライアント通販のほとんどを独占していってる。
しかも、私自身だけではなく、私が担当した全てのクライアントが売上を劇的に上げ大成功してきた!

 

ズバリ“通販のネット広告”の分野で私に敵はいない。

 

そこで、今回のコラムでは、あなたが「一般の広告マン」から脱して「売れる広告マン」になるために何をすればいいか、そのための50のアドバイス…というよりは、『50の小言』を書いた!w

 

特にネット広告マンやダイレクト広告マンにぜひ読んでいただき、実行してほしい。

その小言の中身を知っていて使っているにせよ、知らずに使っているにせよ、実は世の中の「売れる広告マン」のほとんどは自然とその『50の小言』に書いている内容を実行しているのだ。

 

【最強の売れる広告マンになるための『50の小言』】

1.まずは大前提として、圧倒的な実力をつけること。それが専門分野であればあるほど良い。そこらへんにいる多くの「一般広告マン」と同じキャリアを積んでも差別化ができない。会社の中の90%の人と違うことをやることが重要なのだ。 

 

2.総合広告代理店の“新人”広告マンの多くは意外にも「ネット」や「ダイレクト」の仕事をやりたがらない。みんな華やかなTVCFでのブランディングやりたがる。でも、若くしていきなり“オッチャン”たちの能力を超え、若くして会社の中で『スーパースター』に成り上がれる唯一の分野が「ネット」や「ダイレクト」だったりするのに。

 

3.ブランディングの世界ではどんなに有名な広告マンであろうと、クライアントに「自分がやったら今までより100%売上が上がる」とは断言できない。ただしネットやダイレクトの世界では全て数値化されるので、本当に実力がある広告マンなら、クライアントに「自分がやったら今までより100%売上が上がる」とズバリ断言できる分野なのだ。

 

4.経験的に言うと、広告マンの90%以上は“広告”の仕事を「販売業」だとは考えていない。デザイナーの92%は「アート」だと考え、CMプランナーの96%は「エンタメ」だと考え、営業の99%は「クリエイティブな広告」に憧れているのだ。(LEO総合研究所調べw)

 

5.ネット広告マンはデジタルな仕事だからこそアナログを勉強しろ。ネット広告人はテクノロジーよりもアナログな「ダイレクトマーケティング」をより徹底的に研究するべき。たかが20年ちょっとのネットに比べ、ダイレクトマーケティングには100年の歴史があり、先人の貴重な知恵があるのだ。

 

6.古いマーケティング手法だけをやる広告マンは“失敗”する。ただし、次世代マーケティング手法だけをやる広告マンも“失敗”する。堅実に“成功”したかったら両方をバランスよくやること。もっというと古いマーケティング手法の貴重な知恵やノウハウを、次世代マーケティング手法に活かすことが重要だ。

 

7.可能であれば本を執筆したり、講演をしたり、媒体社に自分を売り込んだりしよう。露出が増えると、先生扱いされて、一般の広告マンとは天地の差が出る。プレゼンが抜群に通りやすくなることはもちろん、あらゆるクライアントから指名で仕事の依頼がくるようになるなど、ビックリするほど全てがプラスのスパイラルに動きはじめる。

 

8.広告の最適化ツールは『アホ広告マン量産ツール』になる事もある。広告では“人間”が商品や消費者をしっかりと見極め、売るための企画を徹底的に「考え/実践/検証」する必要がある。その上で効率化のためにテクノロジーを使うのは良いが、テクノロジーでネット広告マンがさらに“怠慢”になるのはダメなのだ。

 

9.広告マンはメディア側に立つのではなく、常にクライアント側に立て。お金を出しているクライアント側に常に立って、媒体社とコスト交渉せよ。採算が取れたらその媒体社へ集中投下して恩を返せば良いのだ。

 

10.仕事ができる優秀な広告マンに共通しているのは、外見は堂々としていながらも、内面はとにかく“心配性”であることだ。つまりは“責任感”がメチャクチャある広告マンは、キャンペーンを成功させられる。内面でも余裕をこいている広告マンは、大体ボンクラ。

 

11.ネット広告マンは意外と媒体社と会わない人が多く、基本“メール文化”だ。でも『デジタルな仕事だからこそ、あえてアナログな人間関係』が大事だ。仕事を有利に進めるためには、あえて多くの人と「直接会った方」がいい。挨拶や飲みでも何でも良いから。私は今まで100社以上のネット媒体社を訪問した。

 

12.“広告の効率UP”を目指すのは良いが、広告マンが“仕事(業務)の効率UP”を目指すと失敗する。広告の仕事とはそんなに合理的なものではない。キレイゴト無しに、泥臭く「時間と手間をかけた」方が、広告キャンペーンの「質は絶対に上がる」ものだ。

 

13.通販をやっている広告マンは「CPA・CPO・LTV・ROAS」など の明確な“目標数字”をクライアントからもらえ。目標をもらったらその数値を必ずクリアできるように、徹底的に戦略/計画をたてろ。責任逃れのためにあえて聞かないような広告マンは、この仕事をやめてしまうべきだ。

 

14.優秀な広告マンは、“まずクライアントのLTV等から採算性を逆算して、後日広告を提案する”。バカな広告マンは、“まずは広告を提案して、後日「採算が合わない!」とクライアントから怒られる”。

 

15.クライアントへの売り込みはするな。クライアントからお金を投資してもらえ。クライアントへ媒体を売り込むセールスマンになるのではなく、証券会社のファンドマネージャーのような存在になれ。投資をどう運用していったら、ROIを最大化できるか、つまりは多くのお客様を獲得できるかを徹底的に考えろ。

 

16.ネット広告マンの多くは媒体の枠売り作業をメインとしており、付加価値がないため、媒体のマージンの値引き競争にさらされる。今後のネット広告マンは最低限クリエイティブとCRMを必ず提供しろ。単純にエクセルシートを提出して媒体を売ることは“バカ”でもできる。

 

17.ここ数年はクライアントに「ネットをやらなきゃ!」的な空気があったのでネット広告業界は伸びたが、それが最近は無くなってきた。別にネットだろうがオフラインだろうが関係なく、効率が良いメディアが一番なのだ。これからは本当にクライアントに貢献しないネット広告マンは絶対に廃れるよ。もう騙しはムリ。

 

18.ネット広告の実際のライバルはテレビではなく“折込チラシ”だ。なのでネット広告を売りたい代理店マンは、下手くそな折込チラシをガンガンやっているクライアントを攻めたら、効率的にアカウントをゲットできるよ。ちなみに上手くやればネット広告の純広を使っても折込チラシ程度には簡単に勝てるぞ。

 

19.キャンペーンが終了した後は、広告マンは徹底的にデータを分析してクライアントに報告しろ。効果が悪くても“言い訳”をしないで分析と報告をするべきだ。クリエイティブもメディアもダメだったところを徹底分析して、次回に向けて“最適化”できれば効果は必ず上がる。

 

20.広告マンに一番必要なのは「クライアントのお金を、まるで自分のお金のように考えられる」能力だ。もし“自分のお金だったら”、誰もが…ミスをしないために命がけでチェックをし、コストを抑えるために命がけで媒体交渉をし、売上を上げるために命がけでクリエイティブ作りをする。

 

21.広告マンは、クライアントの「広告費をもらいにいく」のではなく、一度 だけでいいから小さいクライアントを大きく成長させて『自分で自分の広告費を作る』ことをしてみるべきだ。1000万円しか無かったアカウントが20億円 に化けるような『成功体験』が、今後の広告マン人生を大きく変えるから。

 

22.広告マンがどんなに「すばらしい広告企画です!」とクライアントに力説しても、あなた個人に圧倒的な『他社での成功例』が無いと、クライアントはあなたのことを信用しない。まずは小さいクライアントでも良いから「成功体験」を作ろう。

 

23.広告代理店が大きなチームを組んだら、そのクライアントは安心できるかもしれない。ただし、広告の質は関わっている人数に反比例する。チームワークごっこは弊害だ。必要なのは、一人の超優秀でリーダーシップを持った『設計者(あなた)』と、その設計者の指図を忠実に実行する優秀「職人(スタッフ)」たちである。

 

24.広告の仕事ってサッカーに似ている。「チームプレー」が大事だといいながらも、キレイゴトなしにブラジルのように『個人プレー』の強い選手がチームに一人か二人いた方が絶対に勝てる。スーパースターの司令塔(あなた)とストライカー(スタッフ)が一人づついれば、その広告代理店チームは優勝できる。

 

25.広告代理店がプレゼンをする際、多くの広告マン(特に営業)は「スタッフを紹介すること」が役目だと思っている。その後あらゆるスタッフが入れ代わりで話すみたいな・・・。ただし、熱い営業なら、自分でプレゼンした方が勝率は高いよ。利口なクライアントは、安っぽい組織っぽさよりも、大将の志を見たいのだ。

 

26.クライアントは今日の売上を確保するのに必死だ。短期的な効果を生み出す能力がないくせに、中長期的な効果だけを語る広告マンになるな。直接的な効果を生み出す能力がないくせに、間接的な効果だけを語る広告マンにもなるな。クライアントのニーズと向き合っていない。逃げてるだけだ。

 

27.世の中のほとんどの企業は、広告マンに「派手な企画」を求めていない。世の中のほとんどの企業は、広告マンに『確実に売上が上がる企画』を求めている。

 

28.バカな広告マン(特にCD)は“趣味”を優先して、『売れる広告』の妨害をすることがある。広告は“四コマ漫画”じゃない。プロの広告マンは自分たちのフィーが「クライアントの売上」から来ているのをわかっている。だからプロは売れる広告を目指し、販売を妨害する広告を回避する。

 

29.広告は無視されるという前提でプランニングをしろ。広告マンとしては言いにくいかもしれないが、広告なんかそんなもんだ。逆に無視される事を前提にプランニングすると、劇的にレスポンス率は上がる。

 

30.一つのクライアントへのプレで採用された評判の良い企画書があれば、キレイゴト無しに他のクライアントへのプレにその企画書をワンパターンに横展開しろ。

 

31.一つのクライアントで大成功した施策(仕組み)があれば、キレイゴト無しに他のクライアントにその施策(仕組み)をワンパターンに横展開しろ。

 

32.広告マンの多くはコンペやプレゼンの直前までバタバタ企画書作りをするが、企画書は遅くとも2日前に終わらせ「寝かせる」と勝率が上がる。その代わりに前日はプレゼンの『イメージトレーニング』を徹底的にすること。

 

33.多くの広告マンはカッコつけて企画やプレゼンを小難しくしすぎ。だからクライアントに伝わらない。 「小学生でもわかるような企画書とプレゼン」をしてみな。そっちのほうが絶対に決まりやすいから。

 

34.可能であれば、コンペやプレゼンという形式ではなく、クライアントと「勉強会」という形式でさりげなく提案をしろ。勉強会という場ではクライアントも構えないし、何よりもその入口から入ると「先生と生徒」の関係からスタートするから。仮に仕事が決まった後も、その後とてもやりやすくなるのだ。

 

35.ダイレクトのクリエイティブは統計学だという事をしっかり理解しろ。ダイレクトのクリエイティブではデザインやイメージの良さではない。レスポンスデータに基づく要素の組合せ、つまりは統計学的発想によりプランニングをするべきだ。

 

36.本番キャンペーン前にクリエイティブを徹底的にテストしろ。キャッチコピー1つで2~3倍の違いが出てくる中、いきなり大規模のキャンペーンはリスクが高すぎる。回りくどくても本番キャンペーン前に徹底的にテストをして一番レスポンスの高いクリエイティブに絞り込むべきだ。

 

37.多くの広告マンはクライアントに好かれようとするあまりに、呼ばれたらハイハイと尻尾を振って出かけていく。「クライアントは神様、広告マンは奴隷」という関係を作ってしまっている。広告マンがクライアントと“対等な関係”を築かないと広告活動は絶対にうまくいかない。ペコペコするより実力をつけて自信満々に“強気”な対応をした方が意外とうまくいく。(これマジ)

 

38.私は広告マンとして今まで「このクライアントを手放すと困る」と思って仕事をしたことが一度もない。そう思ってしまうとビクビク恐れながら生きていかなければならず、クライアントに強気で率直な助言ができなくなるからだ。広告キャンペーンを成功させるには何でも言い合える“関係”が必要。

 

39.広告において、例えクライアントがやりたがっても、それが失敗することがあきらかなら“断った”方が良い。営業成績を上げるために発注をもらいたい気持ちはわかるが、『クライアントのためを思って、あえて売らない判断をした』ときに、クライアントはその広告マンを心から信頼する事になるのだ。

 

40.競合コンペばかりを行うクライアントや、責任者が明確 ではないクライアントの仕事は断った方がいい。それにクライアントに「ウチもコンペに参加させてください」と言うより、「ウチはコンペ形式というくだらない場では提案しません」と言った方が、仕事は決まりやすい。

 

41.効果的な処方箋を書くには一対一での問診が必要なように、効果のある広告には絶対に一人のクライアントと一人の広告マンの信頼と責任のもとで行われる必要がある。

 

42.広告マンにとって、“クライアントに「ありがとう」と言うより、クライアントから「ありがとう」と言われる”ことが理想である。そのためには結果を出すこと、つまりはクライアント貢献が大前提になる。

 

43.広告マンは、新規クライアントに提案する時(最悪コンペに参加せざるを得ない場合だとしても)、ドーンと『自分のプロフィールや成功事例』を提出し、「いかに自分がスゴイな人間なのかw」を自己紹介すると良い。“提案内容”も大事だが、それより“誰(個人)が運用するか”をクライアントは重要視するものだ。

 

44.広告において「媒体費を5%負けてよ(=代理店のマージンを削ってよ)」と言うクライアントがたまにいるが、そういう時には『コストを“5%”下げたいですか?それとも売上を“500%”上げたいですか?w』と答えよう。クライアントの売上を徹底的に上げれば、コスト値引きなんて誤差の世界だよ。

 

45.実力をつけた後のプレゼンでの決めゼリフ①:『富士山を1合目から登りますか?それとも私と一緒に8合目から登りますか?』

46.実力をつけた後のプレゼンでの決めゼリフ②:『この私に任せて御社が成功しなかったら、日本のどのネット広告マンに任せても絶対に無理ですわ~!』

47.実力をつけた後のプレゼンでの決めゼリフ③:『なんなら、今お使いの広告代理店に「加藤公一レオ/売れるネット広告社に勝てますか?」と聞いてください。その代理店が「勝てる」と答えたら、どうぞその代理店を引き続きお使いくださいw』

 

48.私がクライアントだったら、“謙虚”な広告マンに仕事を頼もうとは思わない。多少傲慢でも「大船に乗った気持ちでいてください!」と言えるような“自信家”の広告マンに頼むだろう。

 

49.広告マンがたとえどんなに人間として好かれても、日々のきめ細かい作業を感謝されても、広告賞をいっぱいとっても、最終的に“レスポンスを上げクライアントの売上を上げる”という「結果」を出せないと、広告マンとして失格なのだ。

 

50.クライアントの売上を上げると、自然とそのクライアントの広告費は毎年上がっていく。それだけではなく、噂が噂を呼び、あらゆるクライアントから指名で仕事の依頼がくるようになる!広告マンは結果を残してナンボなのだ!!!

以上

皆さんは「売れる広告マン」になれてますか?この「50の小言」で実行できそうなものはありましたか?ぜひツイッターやフェイスブックでご意見をお聞かせくださいw

 

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