DNP、店頭での会話と行動から購買欲求を解析するサービスを提供開始

大日本印刷株式会社(以下 DNP)は、リアルな店舗にセンシング機器(マイク&カメラ)を設置し、接客時の会話と来店客の行動のデータを取得して、生活者の潜在的な購買欲求(インサイト)を解析・可視化する「DNP店舗内CX解析サービス」のトライアルパッケージを2021年5月18日より提供開始した

●背景
同社は近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって商品・サービスの価値を高め、生活者に新しい買い物の体験を提供する「ストアDX」に注力してきた。従来は確認できていなかった店舗内での生活者の購買行動や商品への反応をリアルタイムで把握するため、生活者の行動をカメラで撮影した画像データと、生活者と店員との会話をマイクで取得した音声データから、生活者の潜在的な購買欲求(インサイト)を分析し、可視化する「DNP店舗内CX解析サービス」を開発することもその一環で、2019年11月には最新のIoTを体験できるショールーミング店舗を東京・渋谷に開設し、生活者の店舗内における回遊行動や、展示商品に対する接客時の会話・反応をマーケティングデータとして収集する実証実験を行った。
コロナ禍をきっかけのひとつとして、流通・小売企業やメーカーでは、店頭等のリアルな場所を、商品やサービスを販売するだけでなく、生活者の興味・関心を探るマーケティングや企業価値を高めるブランディングのための空間に変えていく動きが加速している背景もあり、今回、実証実験での知見を踏まえて、店舗内での生活者の音声と行動をデータで取得して解析するサービスのトライアルパッケージの提供を開始した。

●「DNP店舗内CX解析サービス」とは
同サービスの具体的な内容としては、店舗内にセンシング機器(マイク&カメラ)を設置し、店員が接客している時の音声データと生活者の行動データを取得。そのデータを解析して、結果を一覧表示するツール(ダッシュボード)で可視化し、顧客の潜在的な購買欲求(インサイト)を分析する情報として、企業にフィードバックする。取得して解析したデータは、企業のマーケティング活動や商品・サービスの改善、店頭での販促施策の改善、店員の教育や接客スキルの平準化など、企業のCX向上に活用できる。
同社は今後、このサービスを流通・小売企業やメーカー各社に提供するとともに、店舗や接客条件の違い等も加味して、マーケティングに必要なデータの取得・解析の精度を向上させていき、2022年の本サービスとしての提供開始を目指す、としている。